増える非正規の常勤講師 公立の小中学校

 2018年2月11日の朝刊より、「増える非正規の常勤講師 公立の小中学校」の引用!!!
 公立の小中学校で、非正規教員として任用される「常勤講師」が増えている。教員免許を持っており、担任や部活動顧問など正規教員と同じ仕事を担うが、給与面などの処遇が低く、不安定な身分で働いているのが現状だ。中部9県をみてみると、国が定める教員定数に占める割合が全国平均を大幅に超える県もある。
◆忙しさ正規教員並み…でも低い処遇
 「中学校は本当に大変。二年しか続かなかった」。五十代前半の女性は四十代後半のとき、三重県内の公立中学校で常勤講師を務めた。県立高校では約二十年間、常勤などで勤務してきたが中学校は初めて。授業をしながら三年生の副担任をもち、入試の願書の書き方も指導した。
 運動部の顧問として土日は生徒を試合に連れて行くこともあった。終わると学校に残ってテストを採点したり、二百冊ものノートを確認したり。平日は職員会議などで帰宅時間は午後九時ごろになった。幼子を抱え、夜中に翌日の晩ごはんを準備する日々を送った。
 まさに「多忙」とされる正規教員と同じ。でも給与は月額二十万円台前半と、同年代の正規より大幅に少なかった。「仕事内容は変わらないのに、差があるのは腹立たしい。忙しすぎて教員採用試験の勉強の時間も取れない」と明かす。
 常勤講師の任用は本来、緊急時などに限られ、期間は地方公務員法で一年以内とされる。ただ、実際は教育委員会が年度末に一度解雇して一~数日間の「空白期間」を設け、翌年度に再び任用するケースが多い。
 空白があると期末勤勉手当が減額されるなど不利益を被る。給与も正規より低く抑えられている上、日本教職員組合によると、十~十五年勤務すると三十万円前後で頭打ちになる自治体が多い。そもそも、次年度も職があるかが分かるのは早くて二月末以降。雇用は安定しているとは言えない。
 同県の公立小学校などで常勤講師を十年間務める男性は「来年度も仕事があるか、二月の終わりごろから携帯への連絡を待ち始める。毎年すごいストレス」。一緒に過ごす中で児童らの特徴が分かり、「こんな教育をしてあげたい」と思っても、次年度があるか不明なままでは腰を据えて取り組むのも難しい。「子どものためにも一年で学校をかわる常勤講師は多くない方が良い。正規教員をもっと採るべきだ」と強調する。
 文部科学省の調べでは、公立小中学校の教員定数に占める常勤講師の割合は二〇一七年五月一日現在、全国で7・4%。人数は四万二千七百九十二人で、〇一年の約一・八倍に上る。都道府県別では沖縄(15・7%)が最も高く、中部地方は三重(12%)が五番目、長野(10%)が七番目の高さ=表。定数を正規教員で満たしているのは東京のみだった。
 三重県教委の担当者は割合が高い理由について「〇五~一〇年に公務員数を減らす動きがあった。同時に、将来の児童生徒数は減る予測がなされ、正規教員の採用数を控えたため」と説明。一一年採用分からは正規採用を百人程度増やし、「改善している途中」と話す。

 「臨時教職員制度の改善を求める全国連絡会」会長で、日本福祉大の山口正教授(教育行政)は「〇一年度以後、特に小中学校で非正規教員の増加が著しい。その背景としては、義務教育国庫負担制度の見直しや自治体の厳しい財政事情が影響している」と説明する。
 非正規は正規と同様の職務と責任を担うが処遇に格差があるとした上で、山口教授は「非正規教員の勤務条件の改善は、安定的な教育や教員全体の多忙化解消にもつながる喫緊の課題」と指摘。昨年に改正地方公務員法(二〇年施行)が成立し、「今後は非正規公務員の処遇改善が問われていく。自治体には職務に見合った非正規任用制度の改善が、国には自治体で処遇を改善し正規に転換できる財政的保障が求められる」と話した。
 (世古紘子)

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/kyouiku/list/CK2018021102000006.html
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高校の指導要領 社会に通用する力を

 2018年2月15日の朝刊の社説欄より、「高校の指導要領 社会に通用する力を」の引用!
 グローバル化や高度情報化、少子高齢化の流れが速い。不確実な時代を生きる力をどう身に付けるか。高校の新しい学習指導要領案が公表された。大学受験のための教育から抜け出すことが肝要だ。
 文部科学省は昨年度の小中学校に続き、高校の現行指導要領をほぼ十年ぶりに改定し、二〇二二年度から順次導入する。高校と大学の教育を円滑につなぐための「高大接続改革」の一環でもある。
 これまで高校と大学の教育は、入学試験という障壁で隔絶されてきたといえる。大学は知識偏重の入試を課し、高校はその傾向と対策に振り回されがちだ。
 かつて全国各地の高校で進学実績を優先させるあまり、大学入試とは無関係として必修の世界史や情報科などを履修させていなかったことが発覚した。生徒の卒業認定を巡って政治問題化し、校長の自殺が相次いだ。
 高校が単なる受験勉強の場になっている実態が露呈した事件だった。指導要領を改定しても、教育に対する現場の心構えが変わらなくては再び空回りしかねない。
 選挙権年齢にとどまらず、成人年齢そのものを世界標準の十八歳に引き下げる動きがある。高校は予備校ではない。社会の担い手を育て上げるという本来の役割と責任を自覚し直さねばならない。
 大学もその成果を的確に把握する入試の在り方を工夫し、多様な個性を伸ばす環境を整えてほしい。高校までの教育の流れを断ち切るような入試は自重すべきだ。
 高校の新指導要領の案は、小中学校と同様に主体的に学びに向かう態度を養うことを重視する。
 そのために大切なのは、生徒の「なぜ学ぶのか」という素朴な疑問に対して気づきや示唆を与える授業だろう。よく耳にする大学受験に必要だからという皮相的な動機付けでは血肉になるまい。
 その意味では、日常の暮らしや現実の社会が抱える諸課題と、学ぶべき事柄との関わり合いに着目して多面的、多角的に考えさせる場面が多いのは望ましい。
 もっとも、生徒に主体性を持たせるべく、講義から討論や発表を取り入れた授業への転換が求められる。教師の負担は大きい。手厚い支援が欠かせない。
 最も気がかりなのは、小中学校から連続して道徳教育の強化を促す点だ。道徳は科学ではない。自国に対する愛情の大切さを説きつつ、領土や歴史を学ばせては危うい。社会を担うには、批判精神をよく培うことこそが大事だ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018021502000171.html

先生は万能じゃない 平墳雅弘さんと内田良さん対談

 2017年12月24日の朝刊より、「先生は万能じゃない 平墳雅弘さんと内田良さん対談」の引用。
 多忙の解消が課題とされ、一方で、指導により子どもを自殺に追い詰める。先生の立ち位置は今、どこにあるのだろう。今春まで公立小中学校教諭を務め、子ども自身が話し合いでいじめなどの問題解決に取り組む「子ども裁判」を実践した平墳(ひらつか)雅弘さん(61)の経験を基に、学校で子どもや先生が被るリスクを調査研究する名古屋大大学院准教授の内田良さん(41)と対談をしてもらった。
(佐橋大、世古紘子、鈴木久美子)
内田 先生は小中学校で勤務してこられたんですね。
平墳 小学校十三年間、中学校二十四年間です。子ども裁判を始めたのが教員になって十三年目くらいだった。当時、大河内清輝君が亡くなって、学校もいじめに関して非常にナーバスになり、違う方向のことをしなきゃいかんとなった。私のクラスでも問題があって保健室に女の子が逃げたとき、クラスの別の女の子が「私ら何もしなくていいの?」。私は「子どもに何ができるんだ」という感覚だったが、子どもたちが解決したがっているんだと気になった。子どもが自分たちで解決する仕組みを作るべきだと思った。
 普通は学校が作るいじめのアンケートを子どもが作る。「相談して」と漫画が入ったりする。問題の調査もし、時には家庭訪問も。教員はサポートする。
内田 当事者同士が顔を合わせて、何が起きたかをちゃんと言う制度設計ですね。だから変わるきっかけになる。
平墳 でも、「何を勝手なことをやっているんだ」と担任を一時外された。
内田 まさに管理教育の逆のことをやっているから。今、学校で働き方や部活改革で声を上げている先生たちも異動を覚悟しています。
 先生は、文部科学省、教育委員会、管理職、先生、保護者、生徒という権力環境の下にいる人の息苦しさを見ている。他方で、福井県池田町で起きた中学生の自殺もそうですが、生徒や保護者に対する権力者でもある。
平墳 子ども裁判では、子どもたちが教員にも意見を言った。中学校で四クラスから選んだ十六人の裁判員が子どもたちにアンケートをとったとき、担任の批判がたくさんあった。○○先生は声が大きい、××先生はちっとも言うことを聞いてくれない…。解決のために教員と生徒の話し合いをもった。私は仲介者。あるクラスは日直が窓閉めの担当だったが、週番が回って×をうった。窓が開いていたらしい。日直は閉めた、って言うんだけど、担任は×だと対立。「先生は何でも決め付ける!」と壮絶なやりとりでしたが、最後は誤解が解けた。見ていてあっと思ったのは、教員も裁かれるべきだということ。意見を言う場がないから子どもも保護者も教員も不満がたまる。
内田 新しい道徳の教材を見ると、いじめはたくさん出てくるんですけど、先生による体罰っていまだに出てこない。まさか先生が子どもに対してトラブルを起こすはずがないという前提で作られている。先生の加害性、暴力性を封印している。今のお話は、その封印を解くということですね。先生だって失敗するし勘違いもする。それを子どもから批判を受けて、みんなで話し合いましょうと。
内田 先日、いじめの件数が過去最高と文科省が発表した。先生は「いじめ撲滅宣言」も問題だとおっしゃっていた。
平墳 小学校のあるクラスで、「僕たちはいじめをしません」と朝、唱和していた。だけど実際は起きる。すると教員は「毎日これを読んでるのに、なぜいじめをするの」と。子どもを追い詰める道具になってしまう。宣言そのものは悪くない。
内田 ゼロというのは、そもそもあきらめるべきで、むしろ、あるという前提で、起きたときにみんなで考えようということが大事。教委や学校長がいじめゼロだぞと言うと、先生が誰ともシェアできなくなり問題がより根深くなっていく。
平墳 教員にとって、いじめゼロ、というのは非常にプレッシャーになる。教委は学校に、いじめた子といじめられた子の話を親身に聞きなさいと言う程度で、具体的な対策の方法は一切言わない。でも、その指導により教員には、いじめは教員こそが解決するのだという意識が、がーんとある。新卒一、二年目の教員は、私がんばるんですと言う。でもうまくいかない。子どもたちとやっていかないと解決できない。子どもや親の意見が入るとまったく違った形が見えてくる。
 子どもは、こうすれば人間関係がうまくいくんだと子ども裁判を通して勉強していった。子どもの専門家は子ども。教員一人では土台、無理。
内田 世の中のムードは先生が一人で背負わなければならないという教育万能主義。保護者が先生に抱く期待も過剰だ。
 子ども個別のニーズに向き合うという時代の要請も、ゆとりがないとできない。いかに先生の負担を軽くしていくか、先生をもうちょっと増やさないと、と考えないといけない。
平墳 子どもの声を聞いていないと教員は多忙になる。あれもこれもやらな、と妄想が膨らんで自分の首をしめている。声を聞けば、堂々と、これは必要ないとはっきり主張できるし、簡単に首になることもない。
内田 そこまで強く言える人ならいいけど。
平墳 ほとんどの教員は思っているんだけど、転換できない。管理職もそう。
内田 先生万能主義から脱却しないといけない。他の人の力も借りるし、先生も「しんどい」と言う。今先生の働き方改革が進んでいるのは、先生が会員制交流サイト(SNS)で悲鳴をあげるようになったから。ようやく外からの目でクローズドな学校文化にメスが入っているが、「先生はこうあるべきだ」という学校文化は根強く改革を難しくしている。
 -来年はどんな年に
平墳 学校と家庭の橋渡しをしたい。親はどう学校と交渉したらよいか分からない。悩む人の声を地域から拾いたい。
内田 先生や子どもの「苦しい」という声に、学校現場が向き合うのがこれからの一年。ここで向き合わなかったら、世論も関心を失ってしまうと思います。

<ひらつか・まさひろ>
 今春まで岐阜県内の公立小中学校教諭。専門は美術。近著「保護者はなぜ『いじめ』から遠ざけられるのか」(太郎次郎社エディタス)。2003年、中日教育賞受賞。
<うちだ・りょう>
 名古屋大大学院教育発達科学研究科准教授。専門は教育社会学。柔道事故や組み体操事故、部活動の負担などの問題について積極的に発言。著書に「教育という病」(光文社新書)など。

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/kyouiku/list/CK2017122402000004.html

<変わる部活動> (下)民間、地域のクラブ

 2017年12月3日の朝刊より、「<変わる部活動> (下)民間、地域のクラブ」。
◆「練習したい」思いに応える
 三重県四日市市の相好(そうごう)体操クラブ四日市教室。午後五時、本格的に体操に取り組む小中学生、高校生約四十人の練習が始まる。平日は月曜を除き四時間、土日は七時間練習をする。
 峯野葵子(あこ)さんは、同市三滝中一年。「練習して、いい成績を残したい」と話す。八月に全国レベルの大会に出場。中学校単位で参加する七月の県大会には、中学の代表として出て跳馬で二位に。同中には体操や水泳、バドミントンなどの部はなく、それらの競技を校外の民間クラブで練習する生徒は学校に登録し、教員が引率して大会に出る。
 体操部のある中学は三重県ではごく一部。中学生の多くは、民間のクラブで練習している。全国でも日本中学校体育連盟に体操競技として加盟する中学は、二〇一七年度、男子で三百九十四校、女子で五百十六校。それぞれ全校の4%、5%にあたる。
 相好体操クラブ四日市教室の伊地知慶之ヘッドコーチ(29)は「指導者、設備、練習時間の確保が大変」と、民間クラブでの練習が中心になる背景を説明する。
 部があっても、野球は学校外の硬式野球のクラブチームで腕を磨く中学生が多くいる。サッカーや水泳などでもそうだ。教員の多忙化解消のために部活の時間が制限される傾向にある中で、民間クラブが意欲のある生徒の受け皿になっている。教員の過重労働を調査研究する名古屋大の内田良准教授(教育社会学)は「本気で勝ちたい人は民間、そうでない人は部活動」と、すみ分けを提言する。ただ、民間のクラブは、部活以上に費用がかかる。クラブがない地域があるのも現実だ。
      ◇
 部活の一部を地域クラブの活動に置き換える取り組みも進む。
 愛知県豊橋市の豊岡中野球部。土曜の練習後、顧問の牧野晃大教諭(40)が話した。「明日はリーグ戦大会。雨はやむから試合をする心積もりで、よろしく」
 この「よろしく」には、「明日は三人の野球部顧問がいないけれどよろしく」の意味も込められている。翌日の試合の指揮は、顧問とは別の指導者が執った。
 同市は学校が「土日休み」になった二〇〇二年度、中学の日曜の部活をやめ、代わりに近隣住民が指導する地域クラブとして活動している。部の顧問は参加しない。生徒に地域との関わりを強めてもらうのが目的で、練習したい生徒の気持ちも満たし、教員の負担軽減にもつながっているという。
 豊岡中野球部は部員二十三人全員がクラブにも参加する。野球部主将の平岩遼馬君(二年)は「指導者が多いから、実のあるアドバイスをたくさんいただける」とプラスに受け止める。
 クラブ指導者の経験もある顧問の牧野教諭は「競技の指導歴が浅い顧問には、クラブ指導者の存在は心強い。私自身も日曜日に休んだり、生徒の試合観戦をしたりすることも許される。助かる」と話す。
 野球やソフトテニスなど部活が校区単位のクラブに移行する競技もあれば、バスケのように校区単位と広域のクラブが併存する競技もある。
 市教育委員会によると、クラブ指導者は競技経験者や元在校生の保護者など。原則無報酬だ。研修などで安全管理について学んでもらい、顧問とも連絡を密に取り合う。部活とクラブの連携はおおむね良好という。
 岐阜県多治見市の中学では、平日午後五時以降と土日の部活をやめ、外部コーチが教えるクラブとして活動。教員の多忙化解消の面からも評価が高い。愛知県犬山市でも一部の部活が地域クラブになり、部活終了後に地域の大人から指導を受けている。
 早稲田大スポーツ科学学術院の中澤篤史准教授(身体教育学)は、地域クラブとの二枚看板で活動する部活は多いとする一方で、「生徒がやりたい範囲を超えた活動量になっていないか注視が必要だ」と過熱化に警鐘を鳴らす。
 日本のスポーツ・文化活動の裾野を支える部活。社会情勢を踏まえ、さまざまな姿に変化し続ける。
 (佐橋大、那須政治が担当しました)

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/kyouiku/list/CK2017120302000003.html

<変わる部活動> (中)外部指導員の制度化

 2017年11月26日の朝刊の「<変わる部活動> (中)外部指導員の制度化」の引用。
◆質高め、教員の負担軽減
 学校が休みの土曜日、愛知県犬山市の東部中学校のテニスコートでは、ソフトテニス部の部員が二人の大人から指導を受けていた。一人は、顧問で体育教師の夫馬大輔教諭(28)。もう一人は会社員で、市から指導を委託されている近藤洋司さん(52)だ。近藤さんは、趣味で軟式テニスをする傍ら、部活動のコーチを務める。「私は後衛、近藤コーチは前衛が専門。それぞれ違う視点で指導できる」と夫馬教諭は話す。
 同じころ、教室で吹奏楽部が練習をしていた。顧問に加えて、NPO法人から派遣された二人の指導者が、生徒たちにサックスとフルートを指導していた。顧問を務める国語科の乾健太郎教諭(28)は高校で吹奏楽部の経験がある。乾教諭は「外部の指導者によって、自分が取り組んできた楽器以外の指導法が教員にとっても勉強になる」と話す。
 同市では、中学の運動系の部活で十六年前、吹奏楽部では十五年前に、教育委員会が中学に外部の指導者を派遣する制度を導入した。顧問が得意でない競技や楽器を教えるのに、学校外の力を借りようと始まった。市内には中学が四校あり、運動部の指導者は四十人。一人が一カ月三回程度指導し、市は一時間あたり二千円を支払っている。吹奏楽の指導者派遣は年間に延べ約百五十人。ただし、指導者は「顧問の補助」の位置付けで、単独で試合などの引率はできない。
 日本中学校体育連盟によると、全国で約三万人が中学の外部指導者として登録している。ほとんどが犬山市と同じ位置付けで、活動に対し無報酬の自治体もある。
 ここ数年、教員の多忙化が指摘され、部活がその要因の一つとされている。文部科学省が四月に公表した教員勤務実態調査では、中学の教員の土日の勤務時間のうち、部活に費やす時間は一日平均二時間十分。十年前からほぼ倍増した。増加要因の中で突出している。

 こうした状況を受けて、文科省は動き始めた。三月、一般的な外部指導者より一歩踏み込み、顧問も務められて、試合などの引率もできる外部の指導者を「部活動指導員」として制度化した。その上で、同省は八月、二〇一八年度予算の概算要求に、「部活動指導員」の費用十五億円を盛り込んだ。市町村が指導員を非常勤職員として任用し、その費用の三分の一を国が補助する。
 同省は、文化系も含め、初年度は約七千百人の配置を想定。四年計画で予算を拡充し、二一年度に約六十億円を補助して一校あたり三人の配置を目指す。熱心すぎる外部人材が顧問になって、部活が過熱することを防ぐため、休養日の設定などの「部活動の適正化」をする自治体に補助先を限定する。
      ◇
 県で予算を付けた山梨県内の自治体など、すでに部活動指導員を配置した市町村もあるが、多くの市町村は来年度の国の予算化を待っている。各市町村教委は、条件を満たすように、休養日を盛り込んだ部活動ガイドラインを定めるなど、準備を進めている。犬山市も、文科省の部活動指導員の導入に向け準備中。部活により深く関わる外部の人材により、教員の負担を減らし、指導の質もさらに高めたいという。
 名古屋市は、一般的な外部指導者に加え、〇四年から、教師と同様に生徒の引率もできる非常勤職員「外部顧問」を中学に派遣。文科省の部活動指導員を先取りする。
 現在、文化系を含め、小学校の十三の部活、中学の百六十一の部に外部顧問と教員の顧問がいる。教員の異動の都合で部が廃止になるのを防ぐ制度だが、教員の負担軽減策の色合いも濃くなっている。市教委によると「教員が不慣れな競技などの指導を一人で抱え込まなくてもよくなった。精神的な負担が減った」など、おおむね好評といい、顧問派遣の要請は増えている。最近では、外部人材の確保が新たな課題になりつつあるという。
 予算と人材の確保が必要だ。

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/kyouiku/list/CK2017112602000006.html
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ニャン太郎

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