上手な授業で英語好きに

 『共済フォーラム』2016年3月号(No. 693)の「リレー連載 先生と私」〈第8回〉より、「上手な授業で英語好きに」(池上 彰)mp引用。
 子どもにも大人にもよく分かるニュース解説でお茶の間の人気を博している池上さん。上手な授業で英語好きにしてくれた英語の先生たちに、感謝の気持ちでいっぱいですとおっしゃっています。
心に残る小学校の二人の先生
-小学校時代はどんなお子さんでしたか。
 とにかく本が大好きで、それこそ食事の時間も忘れて暗くなるまで夢中になって読んでいました。母親から「本ばかり読んでいないで!」とよく怒られました。小学校6年生のときに読んだ『続 地方記者』という本は、私の人生を決めた一冊となりましたね。
 私はベビーブームの一つ下の学年ですが、当時は児童も多くて新しく小学校を作っても生徒を収容しきれませんでした。私が通っていた東京都練馬区立光和小学校でも、午前中は低学年、午後は高学年が同じ教室で授業をする二部授業が行われていました。
 小学校のときに印象に残っている先生は二人います。一人は1年生から3年生までの担任だった三田先生です。ある授業で、三田先生はあの頃ベストセラーだった『にあんちゃん』という本をみんなに読んでくれたんですが、読んでいるうちに先生ご自身が泣き出しちゃって・・・。この本は、両親を亡くし、小さな炭鉱町で貧しくても懸命に生きようとする4人兄妹の話です。それを読んでいた先生が泣き出しちゃうのを見て、僕たちの方がびっくり仰天ですよね。非常に人間味豊かな先生だたなあと、子ども心に感じたのを覚えています。
 4年生からの担任だった中村章先生はガラッと変わって、「新しいことにどんどん挑戦しろ」という先生でした。お酒が大好きで、前日にたくさん飲んだのが分かるくらいの臭いをさせている先生でしたが、生徒たちには本当に真正面から向き合ってくれました。学校のルールなどには関係なく、「自分のやりたいことは何でもやればいい」と言ってくれたんです。
影響が大きい先生の一言
-中学校・高等学校ではどんな先生に出会いましたか。
 中学は練馬区立開進第三中学校でした。思い出深い先生は、2年生のときの体育の川嶋先生です。ちょうど1964年の東京オリンピックの年で、先生は保健体育の授業で「東京オリンピックの新聞記事をスクラップする」という課題を生徒に与えました。それぞれ興味や関心のあるものを自由にスクラップして、それについての感想を書くというものです。私は、当時冷戦時代でにらみ合っていた国の選手たちが交流しているという記事を切り抜いて貼り、それにコメントをつけたりしたものです。新聞をスクラップする習慣がついたのは、川嶋先生のおかげですね。
 英語の先生もユニークな授業をしていました。英語の歌のレコードを授業中にかけ、歌詞を説明してからみんなで一緒に英語で歌うという指導法を取り入れていたんです。とても楽しい授業で、英語がどんどん好きになっていきました。
 都立大泉高校でも英語の先生に恵まれ、教科書を超えた非常にレベルの高い授業を受けました。英語教育ではトップクラスの先生だと後になって分かるのですが、都立国際高等学校の校長を務められ、東京家政大学教授で教鞭をとられた荻野治雄先生です。
-授業が大きな影響を与えますね。
 そうです。でも素晴らしい先生との出会いがある一方で、その教科がすっかり嫌いになるような授業をする先生もいるわけです。
 高校1年生のとき、数学の先生に分からないところを教えてもらおうと休み時間に職員室を訪ねたら、「そんなものも分からないのか。自分でやれ」と冷たくあしらわれ、すっかり数学が嫌いになりました(笑)。
 これで中学以来のあこがれだった気象庁の予報官になる夢が挫折したんです(笑)。気象大学校の学科試験では数学と物理は必須ですからね。先生の影響は大きいですよ。
 私は高校3先生のときの政治経済の授業を「面白いなあ」と思い、経済学を学びたくなって経済学部進学を決めました。個々の人間の営みである経済が、社会、国家、世界といった集団になると一つの法則ができるとことrに、大きな興味を持ったのです。
-先生方へ応援メッセージを。
 自分の経験からしても、学校の先生の何気ない言葉や態度がその人の人生にもたいへん大きな影響を与えます。私も中学校の先生にいわれたスクラップ作業を今でもやっているわけですから。先生方には自分の何気ないひと言が子どもたちに大きな影響を与えるという自覚を持っていただきたいですね。
 それから、先生が一方的に知識を伝達する授業だけでは、これからの世界では太刀打ちできないですよね。自分の頭で考え、判断し、積極的に意見を発表していく子どもたちをぜひ育ててほしいと思います。
 日本の教育が厳しい状況なのは確かですが、現場の先生方のばんばりで高いレベルを維持できていることも事実です。教育は大変ですが、それ故にやりがいのある仕事だと思います。
*池上 彰
 1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、NHK入局。32年間、報道記者として数多くの事件や社会問題を取材する。1994年から「週刊こどもニュース」のお父さん役を11年間務めた。2005年からフリーのジャーナリストとして多方面で活躍。テレビや書籍での分かりやすいニュース解説が、子どもから大人まで幅広い人気を得ている。2012年から東京工業大学リベラルアーツセンター教授として現代史の「教養」を教えている。愛知学院大学特任教授。

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楽しい授業にするために振り返りたい4つのポイント

 『教室ツーウェイ』(明治図書)2011年1月号より、井戸砂織先生(愛知県豊田市元城小学校)の記事。
 詳しくは、本誌をお読みください。

 「外国語活動で子どもたちがあまりのってこない!」そんなときは次のことができているか振り返ってみよう。
1 教師自身が楽しそうに授業をしているか
 教師自身が楽しそうに授業をしているか。それは、まず、表情でわかる。基本は笑顔!時に驚いたり、時に喜んだり。子どもたちの前でいきいきとした表情を見せたい。
 次に、声。はっきりとした明るい声が基本!声の出し方でも授業の楽しさが伝わってくる。
2 授業の内容が楽しいか
 例えば単語練習。フラッシュカードを使ってただ教師に従って繰り返すだけではつまらない。子どもたちは単調な練習を嫌う。大切なのは変化のある繰り返しだ。「男子だけ」「女子だけ」「グループごと」などに加え、「ひらひらカード、一瞬カード」などゲーム性を入れる。子どもたちの声はぐんと大きくなる。早く答えられた子を「Good!」と力強く褒めるのを忘れない。子どもの意欲がぐんと増す。
 Where do you want to go?(どこに行きたい?)という会話。ただ発和するのではなく、ジェスチャーを入れる。「where」で探している様子。「want」で両手を合わせ、「~したい」という願望を表す。「go」で歩く動作。動きを入れるだけで、ぐんと楽しくなる。
 行きたい場所の単語は「外国」だけでなく、「都道府県」や「市町村」「自分のまちのみんながよく行く場所」なども楽しい。新出では、「外国」、復習ではそれに加え、「都道府県」など他の地名や遊園地などを入れるという手もある。
 教師がどこかに行ったときの写真(できれば海外!)をぜひ準備し、子どもたちに見せよう。子どもの目が輝くにちがいない。
 Where is ~?(~はどこ?)では、教室を動物園にみたて、動物カードをいろいろな場所に置き、自由に歩かせて会話させると楽しい。一方が「ライオンはどこにいる?」と聞き(もちろん英語で)、他方が「Go straight. Turn right.」などと答え、その場所まで二人で行く。私の授業を見た同僚は廊下まで使ってやったという。
 子どもたちがわくわくする楽しさを常に追求したい。(動物の単語を使うのは荻野珠美氏の追試)
3 授業の内容がわかりやすいか
 2の内容は、授業をたのしくするための工夫であるだけでなく、授業をわかりやすくする工夫でもある。
 さらに、教師の言葉を短くする。わからない英語を長々と聞かされるのは苦痛である。
 また、ダイアローグ練習では、必ず「状況設定」を行う。ダイアローグの意味や使う場面が直感でわかるようにするのである。
 難しく考える必要はない。例えば、What's this?と言い、dog(犬)のフラッシュカードをちらっと見せる。子どもたちは「Dog!」と答えるだろう。すかさず、「That's right!」と笑顔で褒める。カードを変えて数回これを繰り返せば、「これは何?」ときいているのだということが直感でわかる。
4 自分自身が「楽しい!」と思える授業を見たことがあるか
 セミナーやサークルで学ぶ良さは自分が「楽しい!」と思える授業に出会えることである。「楽しい!」と思った授業をどんどん追試しよう。

授業導入にお薦めのダイアローグ!

 「教室ツーウェイ」12月号(明治図書)より、小学校の外国語活動。  詳しくは本誌をお読みください。 <色:#0000ff>1 What's wrong?は楽しい  学級での外国語活動。このようなあいさつから始めている。 私:Hello! 子ども:Hello! 私:How are you? 子ども:I'm fine, thank you. And you? 私:I'm fine, too. Thank you.  子どもたちはこのあいさつにすっかり慣れており、大きな声で元気よくあいさつをする。流れが決まっていれば、教師も安心して授業ができる。  このあとは「How are you?」のあいさつを「教師対子ども一人」、「三人と会話したら席に着く」という流れで行う。  毎時間この流れで行い、慣れてきた頃、新しいダイアローグを入れた。  このような流れになる。 A:How are you? B:I'm not fine. A:What's wrong? B:I'm hungry.  特に男の子は、「What's wrong?」が大好きだ。私が「How are you?」と尋ねると、必ずと言ってよいほど、「I'm not fine.」と答える子がいる。  「What's wrong?」と聞き返すと、「I'm hot.」やら「I'm sleepy.」やらいろいろ答えてくれる。「I'm hungry, hot and sleepy!!」と答える子までいて笑いが起きる。 2 指導の流れとポイント  この4文ダイアローグをどのように指導するか。紹介する。 ①答え方を復習する  フラッシュカードを使う。「fine」「hungry」「hot(季節に合わせてcold)」「sleepy」「tired」など5枚程度。  変化をつけて3~4回程度練習する。「I'm not fine.」は、「fine」のカードを見せ、嫌そうな顔をして、首を振れば、直感でだいたい意味がわかる。 ②状況設定をする  一人指名し、立たせる。「How are you? I'm fine? I'm not fine?」ときく。答え方をこの2つに限定するのだ。  「I'm fine.」と答えたら、Good!と褒め、そのまま座らせる。  次々にあてていく。「I'm not fine.」と答える子がいたら、心配そうな顔で「What's wrong?」と尋ね、カードを見せ、すかさず「I'm hungry?」「I'm hot?」などときく。  テンポよく計5人ほどと同様にやりとりをする。 ③What's wrong?の練習をする  「教師に続いて繰り返す」「男子だけ・女子だけで繰り返す」など変化をつけ、5~7回程度練習する。 ④アクティビティをする  「二人組みで練習する」「三人と会話したら席に着く」、私はこの2つが多い。シンプルだが、教室を自由に歩くことができる点が子どもたちにとって大変魅力的らしい。  最後はAny challengers?と尋ね、挙手した子を6名ほど前に出す。二人ずつ前で会話させる。これがまた楽しい!
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