親の体罰・暴言で脳変形 記憶力低下、難聴、問題行動の恐れ

 2018年3月6日の朝刊より、「親の体罰・暴言で脳変形 記憶力低下、難聴、問題行動の恐れ」の引用!


 デリケートな子どもの脳は幼少期に厳格な体罰や暴言などを受けることで変形し、発達の遅れや記憶力低下につながってしまう-。そんな脳科学の研究に注目が集まっている。厚生労働省も研究データを基に「体罰は百害あって一利なし」として、注意喚起を促している。
 「日常的に親から暴力や暴言を受けて育った子どもの脳は萎縮したり、変形したりして発達が損なわれてしまう。それが原因となり、子どもは将来生きづらさを抱える可能性がある」。小児精神科医で、昨年「子どもの脳を傷つける親たち」(NHK出版)を出版した福井大子どものこころの発達研究センター・友田明美教授は話す。
 友田教授は二〇〇三年、留学先の米ハーバード大で、十八~二十五歳の男女約千五百人に聞き取りを行い、その中からほおへの平手打ちやベルトで尻をたたかれるなど子ども時代に厳格な体罰を受けた二十三人を抽出。磁気共鳴画像装置(MRI)で脳を解析し、暴力を受けたことがない人たちと比較したところ、感情や思考をコントロールする脳の「前頭前野」の容積が平均して19・1%少なく、萎縮していた。
 暴力を受けた人は、体から大脳に感覚を伝える神経回路が細い傾向も見られた。痛みに鈍感になるために、脳が自ら変形したことが考えられるという。「前頭前野は、萎縮することで危険や恐怖を常に感じやすくなる。感情をコントロールするため犯罪抑止力にも関わる部位で、正常に発達しないと問題行動を起こしやすく、うつ病に似た症状も出やすい」と友田教授は指摘する。
 また約千五百人の中から、身体や性的被害はないものの言葉による暴力を受けてきた別の二十一人を調査。「おまえなんて生まれなければよかった」「死ねばいい」などの暴言を受けていた人は、そうでない人と比べて会話機能をつかさどる脳の「聴覚野」の容積が平均して14・1%多かった。
 聴覚野の中で興奮を伝える神経細胞の接合部「シナプス」の密度が増えたことが原因として考えられるという。正常な状態では、シナプスはある一定量まで増えると刈り込まれる仕組みだが、暴言を受けることで脳機能が壊れコントロールがきかなくなって増えすぎてしまう。すると会話する際に脳に負荷がかかって心因性難聴につながったり、耳が聞こえにくいため人と関わることを恐れたりするようになる。
 調査では、両親間のドメスティックバイオレンス(DV)を平均四・一年目撃してきた二十二人の脳も解析した。日常的に目撃していた人は、そうでない人と比べて視覚をつかさどる脳の「視覚野」の容積が平均6・1%減少。顔を認識する部分が小さくなるなどの影響が出て、記憶力低下などにつながっていた。
 厚生労働省は昨年五月、友田教授の研究結果を引用しながら体罰や暴言による子どもへの影響をまとめ「愛のむちゼロ作戦」と銘打った啓発パンフレットを作成。体罰によらない子育てを推進している。国内外の研究では、患者と医師らが信頼関係を築く中で心をケアする「認知行動療法」などにより、萎縮した脳の容積が回復した例も報告されている。
 友田教授は「子育てに真剣になるあまり、怒鳴ったり、子どもの頭をたたいたりしてしまう可能性はどんな親でもある。大事なのは、親自身がそうした行為は誤りだと認めて、一刻も早く改めること」と諭す。
 (細川暁子)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201803/CK2018030602000191.html
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ひきこもり 親子の高年齢化が迫る

 2018年1月22日の朝刊の社説欄より、「ひきこもり 親子の高年齢化が迫る」の引用!
 子どものひきこもりが長期化し、親が高齢になった家庭が増えている。親の亡き後、生活に行き詰まることが懸念される。あまり時間がない。どうしたら支援できるのか、知恵を絞りたい。
 ひきこもり問題は、個人や家庭で解決することは難しい。まずは「長期化・高年齢化」の実態を正確に把握し支援に結び付けたい。
 「ひきこもり」は一九八九年ごろから言われだした。長らく子どもや若者だと考えられてきた。
 だが、最近はそのまま中高年の年代になっている。親も高齢化している。親に介護が必要になったり収入が途絶えたりして親子で困窮する事態が起きている。
 こうしたケースは「八十代の親と五十代の子」を意味する「8050問題」と呼ばれる。自分亡き後の子どもの将来を考えると、親の不安は尽きない。
 政府はひきこもりを「半年以上にわたり自宅や部屋から出なかったり、趣味の用事や買い物で出かけるほかは外出しない人」と定義、二〇一五年の調査では、約五十四万人いると推計している。
 しかし、この調査の対象は十五~三十九歳だ。ひきこもり期間七年以上が約35%と最多だったことを考えると、四十歳以上の実態を知る必要がある。
 政府は一八年度、四十~五十九歳を対象にした初の実態調査を実施する。生活実態や抱える課題などを網羅的に把握してほしい。
 ひきこもりの要因は多様だ。そこから抜け出すために単一の妙手があるわけではない。障害や病のある人、不登校から長期化する人、就職のつまずきや失業がきっかけとなる人もいる。最近は、非正規雇用の増加でキャリアを積めずに自尊心を傷つけられたりすることも要因と指摘されている。
 社会に出られない苦しみは本人、家族だけでなく社会の損失でもある。政府は一五年に支援制度をつくり自治体の就労支援を促しているが、中高年向けは手薄だ。今後、支援の拡大が必要である。
 ひきこもりの人は社会から孤立しがちだ。どうしたらいいのか当事者には分からない。
 こうした家族の支援をする団体が活動を始めた。社会福祉士や司法書士らも加わる。本人の就労支援に加え、親へのカウンセリングや財産管理、住み替えなど直面する問題に幅広く相談に応じる。自治体だけでも支えきれない。民間の取り組みを自治体と連携して広げる対策が不可欠だろう。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018012202000154.html

子ども食堂 一緒に味わい楽しもう

 2018年1月15日の朝刊の社説欄に「子ども食堂 一緒に味わい楽しもう」が載っていた。
 「子ども食堂」が全国に広がっている。貧困対策の面だけに目が向きがちだが、食と子どもを媒介にした地域の居場所にもなっている、住民らの自発的取り組みだ。息長く続くよう周りも支えたい。
 子ども食堂の名付け親といわれているのが、東京都大田区の近藤博子さん(58)だ。
 近所の小学校の先生から「母親の具合が悪く、給食以外に満足な食事ができていない子がいる」と聞いたのが動機になった。
 同じような子がもっといるかもしれないという思いに動かされ、みんなで食事ができる場をと、約五年前の二〇一二年八月から始めた。子どもに「一人で来ていいんだよ」との呼び掛けと、大人にもどうぞ、との気持ちを込めて名付けたという。
 近藤さんらの、心をとらえる取り組みが共感を生み、この数年で食堂の数は急速に増えた。「こども食堂ネットワーク」(東京都渋谷区)によれば、全国で五百カ所以上にもなった。
 運営者は、NPO法人、生活困窮者支援にかかわってきた人、住民の有志らさまざまだ。
 昨年発足した「あいち子ども食堂ネットワーク」でもそうだが、食堂同士で連携を図っているケースが多く見られる。地域ごとに活動が多様なことも、子ども食堂の持ち味になっている。
 名古屋市郊外のある街。まだ新しい子ども食堂で、子育てを終えた世代の女性らが調理に腕をふるっている。女子高校生や大学生がはつらつとボランティアに励んでいる。子どもがはしゃぎ、お母さんらは「きょうは骨休みができます」とほっとした表情だ。
 「初めは気づかなかったけど、独り暮らしのお年寄りや、孤食の子も来始めました」と、運営責任者が話すように、居場所として定着してくれば、子どもが子どもを誘って来てくれるようだ。
 ただ、子ども食堂は低料金で歴史が浅いだけに課題も多い。場所や人、お金、安全衛生…。善意や寄付などでまかなわれているが、持ち出しが少なくないのも現実だ。
 こうした課題に、行政も過剰にならぬ範囲で支援をしてほしい。
 七人に一人が貧困状態ともいわれる日本の子ども。経済状態に関係なく“孤食”はある。
 本当に困っている子どもにどう足を運んでもらうか。みんなでわいわい食べることができる敷居の低い「居場所」が、解決へのきっかけにはなる。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018011502000152.html

米発祥の心理教育プログラム「CARE」

 2017年12月15日の朝刊「生活 子育て」より、「米発祥の心理教育プログラム「CARE」」の引用。
親子の絆強めて育児支援
 子どもが言うことを聞いてくれず、育児に自信が持てない-。子育て中の多くの人が直面するなやみだろう。こうした親を支援しようと、大学と共催し子どもとの絆を強める心理教育プログラム「CARE(ケア)」講座を開く自治体もある。1日5分ほど、子どもを主役に強調文した遊びの時間を設けるのが最大の特徴で、参加者からは「子どもの問題行動が減った」「育児ストレスが軽視された」といった感想が寄せられている。
(藤村玲子)
1日5分、子主体で遊ぶ→ほめて自尊心育てる
 「まずはお母さんがリラックスしましょう」。10月中旬の講座で、講師を務める九州大医学研究院の木村一絵助教が声を掛けると、母親同士がペアを組み、互いに肩をもみながら自己紹介を始めた。福岡県大野城市と九州大が2013年度に始めた講座の一幕だ。参加者は2~6歳の子どもを持つ26~49歳の女性26人。すぐにみんなの緊張がほぐれ、会場の雰囲気が和んだ。
 続いて木村さんが母親役、市職員の島美佳さんが四歳児役となり、ブロック遊びを演じるロールプレーの手本を示す。「ブロックでタワーを作る」「そう、タワーを作るの」
 木村さんは子ども役の島さんの言葉を繰り返したり、「ブロックを真っすぐ並べています」と、実況中継のように行動をそのまま言葉にしたりする。最後は「ブロックを赤と青の順に、きれいに組み合わせたね」と、ほめた。
 CAREプログラムが重視するのは「遊び」の中での実践。一緒に楽しい時間を共有することで、絆が強くなると考えるからだ。具体的には1日3~5分を「特別な時間」と位置づけ、子どもを主役とする遊びの時間を設ける。この間、親はあくまで子どものペースについていく。
 ポイントは①子どもの言葉を繰り返す②行動を描写する③具体的にほめる-の三点。子どもは大人が自分についてきてくれるという安心感に満たされ、自尊心を育てることにつながる。
 避けたいのは命令や禁止、否定的な言葉。質問もなるべく控え、大人が会話の主導権を握らないよう注意する。この「特別な時間」を終えれば、両者が普段の立場に戻ることも重要だ。かんしゃくを起こしやすい次男(4つ)に悩んでいるという参加者の女性(37)は「一日五分なら、できそうです」と話した。
 講座は全四回で、子どもが大人に従うことが必要な場面で効果的に指示を出す方法もアドバイスする。
 15、16年度の受講者計50人に対するアンケートでは、ほぼ全員が「子どもの問題行動が減った」と答え、約9割が「子どもとの絆が深まった」と回答するなど効果を実感していたという。
 木村さんは「一日五分程度なら、母親もストレスを感じずに実践できる。忙しいときには周に2、3回でも構わない。続けることで効果が表れる」と話した。
 CAREに関する問い合わせは、木村さんのメール=care.program.for.all.children@gmail.com=へ。
「CARE」
 「Child-Adult Relationship Enhancement」(子どもと大人の関係を強める)の略。米オハイオ州のシンシナティ子ども病院で2005年に開発された、子どもと関わる大人のための心理教育プログラム。ロールプレーを通して子どもとの関わり方を学ぶ。11年に任意団体「CARE-Japan」(東京)が設立され、ワークショップなどを実施している。

箸の持ち方、輪ゴム使い練習

 2017年12月8日の朝刊より、「箸の持ち方、輪ゴム使い練習 心の成長も促す」の引用!
 最近は、お箸を正しく持てない子が増えていますよね。そんな子は、鉛筆もしっかり持てていないんです・・・。きちんと、教えるべきです!!!
3、4歳から/心の成長も促す
 子どもが小さいうちに身に付けさせたいことはいろいろあるが、代表的なことの一つが正しい箸の持ち方。記者も練習用の箸を愛用している長女(3つ)に「そろそろ普通のはしを」と持たせてみたが、すぐにはうまく使えない。どう教えればいいのか、正しい持ち方を教えている市民団体「はし和文化研究会」(福井県越前市)の副会長山口ちとせさん(65)を訪ねた。
 長女が使っている練習用の箸は、親指と中指、薬指が正しい位置に固定できるようリングが付いたタイプ。上部で二本の箸がつながっているため、先端がずれない。二歳のときに渡してみると、すぐに上手に使い、「天才かも!」と親を喜ばせた。きっと普通の箸もすぐに使いこなすと期待したのだが、それらしく持つことはできても、動かすとなるとなかなか難しいようだ。


 山口さんは「このタイプの箸は、普通の箸と力の入れ方が違うためか、持ち替えてもすぐには使えない子もいます」と話す。では、どう練習していったらよいだろうか。始める時期は「小学校に入学するころにはきちんと使えるよう、三、四歳くらいから」がよいそうだ。輪ゴムを使い、箸と手を固定して練習する方法を教えてくれた。
 小さめの輪ゴム四つを用意し、一本につき二カ所をイラスト(上)のように指と固定する。下の箸はまず親指と留める。もう一つは薬指、小指と結び付ける。上の箸は、人さし指の付け根に一つ、中指の先の第一関節あたりにもう一つだ。
 持ち方がしっかりしたら、次は動かし方。下は動かさず、上だけを動かすのが基本。「親しみやすいよう、“お兄さん(中指)がお母さん(人さし指)と一生懸命働き、それをどっしり支え、動かないのがお父さん(親指)”と説明しています」と山口さんは話す。
 それぞれ、指のどの位置で支えるのかが定まらない場合は、箸が指に当たる場所にシールやサインペンで印を付けると子どもが理解しやすい=同(下)。手を握りしめないことも大切で、丸めたハンカチを手のひらで軽く握りながら練習すると、感覚をつかみやすいという。
 試しに、長女に練習させてみると、箸の先端がうまく合わない。これでは食べ物をつかめない。山口さんは「親が箸の先を持って合わせ、かちかちと音が鳴るように動かしてやる練習をしましょう。手の力を抜いて持つことが大切です」と言う。
 幼児の場合、この方法で練習を始めて一週間程度で使えるようになることが多いという。逆に、自己流の持ち方のまま大きくなると、持ち方を矯正するのに苦労するケースもあるという。
 山口さんは、正しい箸の持ち方が、一緒に食事をする人と気持ち良く食べる生活習慣を身に付けるだけでなく、成長も促すことを強調する。「お豆腐をはしで切って、つまみ、口に運ぶ。簡単なようでも高度な脳の働きがあってはじめて実現できる動作です。食材に合わせて力を加減する上手な箸使いを通じて、自分のことだけでなく相手を思いやる心も育んでほしいですね」と語る。
 なるほど。記者の長女も、来週の今頃には上手に箸が使え、心も豊かになっている。そう信じよう。
 (稲田雅文)

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