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地域を守る教育

 「教室ツーウェイ」(明治図書)2010年6月号の引用の続きです。  教育は、地域を愛し、地域を理解し、地域から育てられ、地域を誇りに思い、地域を守り、地域を発展させなければならないと思います。地域を離れ、過疎化が進むような教育であってはならない。詳しくは本誌をお読みください。 <色:#0000ff> TOSSは過去30年教育活動のすべての面についてつくってきており、その内容は二千冊に及ぶ出版された本、三千冊を越える十種類の教育雑誌、三千冊を越える全国各地のサークルの研究紀要などにまとめられています。  そのテーマは次のことでした。  第一は「できない子をできるようにする」ということです。跳び箱が飛べない子が五分で跳べるようになるなど、何千もの指導法を用意してきました。  第二は「基礎学力」を向上させてきたことです。算数のクラス平均90点以上など当たり前のことになってきました。  ダントツの日本一の教材になった「あかねこスキル」など、さまざまな教材を開発しました。ちなみに「漢字スキル」「計算スキル」の商標は向山が持っています。  第三に「レベルの高い」教育も追求してきました。分析批判による向山学級の評論文は今も、全ての教師の目標になっています。  酒井式で描かれた中学生の絵が、ヨーロッパ最大の王家「ハプスブルク家」によって買いあげられました。酒井式は宮廷画家を誕生させました。  第四に、子ども達の授業にとって必要なことがらの学習もつくってきました。  エイズ教育を日本で最初につくったのはTOSSです。アメリカのニューヨーク市のエイズ教育部長、CDCの二人のドクターを招き学士会館でセミナーをしました。エイズ授業の原型は、TOSSが作ったのです。  同じく、「ボランティアの教育」をはじめて実践したのもTOSSです。「ジュニアボランティア教育」という雑誌も発刊しました。  地球環境教育もTOSSが作りました。日本には全くなかったので、アメリカにわたり「NASA」と「スミソニアン博物館」から、資料をもらってきました。  日本の各企業のCO2対策の技術を教材化したのもTOSSです。  これらのことは十指にあまります。どれも、子ども達の未来に必要なことした。TOSSの教師は、子ども達と一緒に未来を見つめていたのです。  第五に、特別支援の子への教育を作りあげてきました。特別支援の子への教材・教具・指導法は広く医学会から認められています。TOSSと慶応大学医学部精神科学教室との共同研究は、40大学の医学部の発表の中で最優秀になりました。ペーパーチャレランを使った統合失調症の訓練プログラムです。これは、国際的にも注目されています。  来月の日本小児医学会ではTOSS教材・教具・指導法が発表されます。  各地で、ドクターとTOSS教師の協力がすすんでいます。「ペーパーチャレラン」「五色百人一首」「五色俳句かるた」「直写教材」「直写ノート」「百玉そろばん」などは、特に効果があるとして、医師達がすすめて下さっています。  そして今、第六のテーマにかかっています。それは次のことです。 ①地域を理解し、②地域から育てられ、③地域を誇りに思い、④地域を守り、⑤地域を発展させる教育です。  「地域を守る教育」の一つとして、観光立国教育の全国研究会をつくりました。昨年、静岡で千名もの先生方が参加して大会をしました。本保観光庁長官、西阪審議官はじめ、静岡県知事、観光協会など四団体の会長も参加しました。  現在、ユーチューブに、「小学生が作った地域の観光資源」を、二分の映像として全国五百の学校がのせています。  今年は、夏休みに兵庫で開かれます。「地域から育てられ」の新しい中味として3つを考えています。それは福留先生などと二十年前からすすめてきた「子ほめ条例」の制定です。小学校、中学校の時に「すべての子ども」に対して「賞状を与える」という条例です。これまでに、20の町村で実施されてきました。  そして、小学校4年、「十歳の時に実施する二分の一成人式」、中学二年「十四歳に実施する立志の式」の実施です。  これらの式は、かつて心ある教師によって始められてきました。私たちも、十年前から広めるために努力してきました。  粗く言うと、二分の一成人式は、地域への理解、家族への感謝を確かめる場であり、立志の式は自分の人生を考え、夢を描き、その実現のための努力をしていく場なのです。  生きがいのある地域社会の創出をめざす二十一世紀、日本の教師の役割を私は本誌で次のように述べていました。  「生きがい」を求める第一の場は、「地域社会」である。地域の中にはさまざまな活動を生み出されるだろう。伝統文化、環境、自然、生涯学習、趣味、交流、イベント、これまでの活動を倍する中味が作られるだろう。それは「豊かな社会」への一歩なのである。こうした「生きがいのある社会」「元気な地域」を作っていくために教師が担当できる仕事は多い。一見学校は関係ないように思えるが、こうした活動は、「教え子」に対する「実際的な教育実践活動」なのである。こうした活動は、教え子を支えることであり、教え子の豊かな未来を準備させることであり、教え子に生きがいのある社会を準備することなのだ。これは教え子に対する誠実さのあらわれであり、教え子への連帯の証なのである。

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「村を捨ててしまう学力」が正常であるはずがない

 『教室ツーウェイ』(明治図書)3月号の巻頭は、向山洋一先生の「子ども達と「生きがいのある」社会を創造していくために」だ。詳しくは本誌をお読みください。 <色:#0000ff>(1)  「まちづくり」には、強烈な原体験がある。今から20年くらい昔、私は秋田県の市、町、村長、30名くらいの方に招かれ、講演に出かけたことがある。  幹事役は、秋田県のへき地、蜂浜村の村長さんだった。やる気とアイデアに満ちた方で、村の活性化のために「たぬき村の村おこし」を考え、国から予算をいただいたという。その中に「たぬきの童話」コンクールがあり、全国から二千作もの応募があった。 「向山先生。うちの村から二人も応募していたのです。こんな奥深い村にも、童話を書く人がいたんです」蜂浜村の村長さんは感動していた。そして、大切な話を切り出した。 「向山先生は、小学校の先生でしょう。うちの村にも、小学校、中学校があります。いい子たちです。大切に育てています」 「高校になると、隣の大きな町に行きます。でも、毎日、家に帰ってきます。高校を卒業して、進学したり、就職したりして、遠くの大都会に出ていきます」  そして、村長は私を見つめて言った。 「村を出て行った青年は、再び村に帰ってきません。後には、子どもを育てた両親が残されます。やがて年をとって、ジジ、ババになっていきます。このジジ、ババを誰がめんどうを見るのですか。成績が良かった子ほど、戻っては来ないのです」  私には、全くなかった視点だ。教師が、子どもを立派に育てれば、育てるほど、村を離れ、村には戻らない。そんなことがあっていいはずがない。 「村を捨ててしまう学力」が正常であるはずがない。  村のことをよく理解する教育。村のことを、誇りをもって他人に語れる教育。村の伝統や文化を身につけさせる教育。村や家族や友人をいつまでも大切にする教育。時々は、村に帰れるようなしくみ。いつまでもいつまでもふるさとを大切にする教育。そのような「まちづくり学習」を、私はしていこうと心に決めたのである。 (2)  村のことを理解し、誇りを持てるようになり、他の人にも語れるような教育として「観光立国教育」を開始した。 (中略)  世の中の動き方は「平和の時代」と「戦争の時代」では異なる。戦争の時代は、物資が激しく消耗され、もの不足となり、物価は上がり、賃金もあがる。インフレの時代となる。平和の時代は、ものがあまり、物価は下がり、賃金も下がる。粗く言えば、そういう流れになる。  戦争の時代は「豊かさ」を求めるが、平和の時代は「生きがい」を求めるようになる。  「大戦」「冷戦」という「戦争の時代」から、「社会主義陣営の崩壊」を経て「平和の時代」に突入した。残る戦争は「テロとの戦い」といく部分的なものである。  日本は「物価が下がる」が「賃金も下がる」という苦悩をかかえている。こうした社会で「生きがい」のある社会をどう創っていくのか、それは教師の大切な仕事である。 (3)  子ども達が、自分の育った地域を「好きになる」教育が必要だ。  第1には「すべての子どもの基礎学力を保障する」ことだ。  第2には、「発達障害の子、境界知能子」(子どものおよそ四分の一)の子を自立できるように育てることだ。その基本は、「教えて、教えて、ほめる」ことである。どなる教育、教えないで考えさせる教育などは最悪だ。多くの子どもと家庭を不幸のどん底におとしいれてしまう。  第3に、自分の住んでいる地域を理解して、誇りを持てるような学習をすることが大切だ。  第4に、地域の良さをアピールしていく「発進能力」「ネットワーク作成能力」を育てることが大切だ。  しかし、まだ不足だ。福留先生達が20年間推進してきた「子ほめ条例」を広げていくことも必要だ。入学してから卒業までに、一人残らず全員に「賞状を出す」という条例だ。  更に、小学校4年の「二分の一成人式」、中学2年の「立志の式」なども広げたい。教師だけができる活動だ。以下、長崎県の若い教師の報告である。  教職に就き、6年目。初めて4年生担任になった。「盛大な2分の1成人式をしよう」と決意した。以前から、やってみたかった実践である。実践した結果は、これまで経験したことのないものとなった。  2分の1成人式の中で最も感動を呼んだのは、学級でもやんちゃなS君の決意表明の時である。自分の生きてきた10年間を振り返り、親への感謝の言葉を述べているときである。言葉がつまり始めた。目には大粒の涙が溢れていた。涙で言葉が出ない。参観していた多くの保護者も涙。教室はシーンと静まりかえり、ただS君の嗚咽と保護者や子どもたちのすすり泣きの声だけが響いていた。S君は教室の中でもかなりのやんちゃ者。1,2年生の頃は周りの子への乱暴や絶えないケンカでよく問題になっていた子である。保護者たちはそのことをよく知っていた。そんなS君が目の前で泣きながら母親への感謝の言葉を述べているのである。  式が終わった次の日。S君は私にこう言った。「どうしてなのかわからないけど、ないてしまいました」たくさんの保護者に囲まれた中での厳かな雰囲気。初めて迎える人生の節目。決意表明の原稿を作成する過程で湧き上がった親への感情。それら全ての結果が彼の心を強く揺さぶった。  その後のS君は明らかに変わった。友達とのトラブルが激減した。悪いことをしても素直に反省の言葉が出せるようになった。落し物を拾って、持ち主に届けるようになった。数え上げればきりがない。  2分の1成人式での体験が彼を変えた。

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