FC2ブログ

なくそう!クラッシャー上司 パワハラ防止へ法整備

 2019年4月8日の朝刊より、「なくそう!クラッシャー上司 パワハラ防止へ法整備」の引用!

 仕事を通して部下の心と体を痛めつけ、時として命をも奪う。過去にも紹介した、そんな「クラッシャー上司」をなくせ-。働き方改革の一環として、政府は職場でのパワーハラスメント(パワハラ)防止に取り組むことを企業に義務付ける法整備に着手した。一方で、パワハラの手段がより巧妙化し、法の規制を逃れる上司も出てくるのではないかと識者は警告する。
 政府は先月八日、職場などでのパワハラを禁じる労働施策総合推進法の改正案を閣議決定し、衆院に提出した。パワハラを(1)上司と部下などの優越的な関係を背景に(2)業務の適正な範囲を超え(3)労働者に身体・精神的苦痛を与えるなど就業環境を害すること-と定義。大企業で二〇二〇年度、中小企業で二二年度からの対策義務化を目指す。
 パワハラを初めて定義したことに加え、「業務上の指導との線引きが難しい」という企業側の声を受け、今後つくる指針では具体例を明示。相談窓口の設置といった取り組むべき対策も定める。対策を取らない場合は厚生労働省が改善を求めるとしており、これまでパワハラ対策が企業側に任されていたことからすると一定の前進だ。
 だが、「クラッシャー上司によるパワハラは、表面化しにくいという特徴がある」と言うのは、「クラッシャー上司」の名付け親の一人、筑波大医学医療系産業精神医学・宇宙医学グループの松崎一葉教授(59)。二年前に出した著書「クラッシャー上司」(PHP新書)で、この言葉が広まるきっかけをつくった。
 クラッシャー上司をおさらいすると「部下を精神的につぶしながら、出世する人」のこと。仕事はできるが「参っている部下の気持ちが分からない、共感できない」のが特徴で、「自分のやっていることは正しい」と確信している。業績はトップクラスなので、仮に社が問題に気付いても処分できないでいた。
 パワハラの事実を明らかにするには、部下が自分の受けた被害を訴えることが欠かせない。ここで厄介なのは、上司の言っている中身自体は理にかなっている点だ。「部下が『間違っているのは未熟な自分』と思えば終わり。クラッシャー上司は法制化を受け、部下と食事をともにするなど優しげなそぶりを見せて、パワハラが表に出ないよう、よりうまく振る舞うようになるだろう」と指摘する。
 産業医でもある松崎さんは、パワハラを働いた上司と面談する機会が多い。彼らが「自分は正しい」と強く思うようになった背景には、「時代性」もあるという。次々と入社するゆとり世代、さらには欲がないさとり世代と呼ばれる人たちを「指導できるのは自分。厳しい指導は愛のむち」だと本気で信じている。
 「そうした信念がどれほど堅固かを裏付けるキーワードが、面談の際、共通して出る『意外』『心外』という言葉です」。「意外」は「育ててやっているのに何だ」、「心外」は「会社の利益を考えてあえて厳しくしたのに、なぜ処分されるのか」という思いだ。
 松崎さんは、クラッシャー上司と被害に甘んじる部下の関係を「共依存」と言う。「上司は『身内だから許されるだろう』、部下は『これに耐えれば出世できる』という下心がある」ときっぱり。パワハラ防止が法制化されようと、こうした関係を変えない限り、状況は改善しない。
 言葉でしっかり定義された分、それに引っ掛からないよう、パワハラが深く潜行することも考えられる。松崎さんは、それをレーダーに探知されにくい戦闘機に例え、「パワハラのステルス化」と呼んで危惧している。
 (三浦耕喜)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201904/CK2019040802000231.html
スポンサーサイト



『決定版 夢をそだてる みんなの仕事300』(講談社)2,800円(税別)

小中学生のための新しい仕事の本
 将来なりたい自分を探そう!「どうすれば、夢はかなう?」
 大谷翔平選手や羽生善治永世七冠、是枝裕和監督など各界で活躍するあこがれの人たちに独占インタビュー!!
 医師、パイロットなどの人気の仕事から、ユーチューバ―やロボットクリエーターなど新しい仕事まで網羅!

上長への絶対服従

 『内外教育』2018年6月8日号「ラウンジ」より、「上長への絶対服従」の引用。
 「星野君の二塁打」という小学校高学年向けの道徳教材がある。1947年に雑誌『少年』に発表されたものが、国語や道徳の教材にされてきたものだ。監督から送りバントを指示されていた星野君がついバットを振ったら、二塁打になってチームが勝利した。でも、監督に叱られた、という話である。
 道徳の教材としては、チームプレーの精神が重要とか、みんなで決めたことは守る、といったことが主題のようである。だが本当にそうか。子どもたちは「監督の指示は絶対だ」というふうなことを学んでしまうのではないか。上長に対する絶対の服従である。
 この教材を思い出したのは、故意に危険プレーを行った日本大学アメフト部の選手の記者会見をテレビで見ていたときだった。うちの妻は、「これ、ヤクザと一緒じゃない」と言った。ヒットマンになる鉄砲玉の若い者に若頭が拳銃を握らせる。若頭「オヤジ(組長)をがっかりさせるなよ。しっかりやれ」。ヒットマンは「はい」。命令は絶対だ。やるしかない。そんなヤクザの世界はもう終わっているよと思っていたら、どうやらそうでもないらしい。いろんな組織の中で、脈々と生き続けているようだ。それどころか、この国は、上長への絶対服従という精神が、いつの間にかそこらじゅうにはびこってきているらしい。
 「忖度」という言葉がはやっているが、実に嫌な言葉だ。平等な人間関係における「気配り」とは異なり、卑屈さや権威への無批判な隷従を感じさせる言葉だからだ。
 一国の首相が平気でウソを言い続けているのかどうか、私にはよく分からない。しかし、その首相の答弁に沿うように、役人たちが忖度して文書を改ざんし、国会の参考人として曖昧な答弁を繰り返しているのを見ると、あまりの醜さにあきれてしまう。「野党の攻撃をうまくかわした」などという、無責任なネットの書き込みコメントが腹立たしい。
 問題は、時の政府の要人や中央官庁の高級官僚が、事態を糊塗するための醜い手段をなりふり構わず駆使している、ということだ。中央でやっていいということになるなら、地方の政治でもやっていいことになる。民間だってやっていいことになる。日本じゅうにダーティーな言い逃れ、もみ消しがはびこることになってしまう。
 「監督の指示は絶対だ」というような上下関係のもとで上長への忠誠心の発揮は、それ自体は、より広い世界での真にも善にも結びつかない。それどころか、より広い世界の公共善を損なってしまう。道徳教育が足らないのではなくて、愚かな道徳がこの国を支配しているのではないか。
(T)

<要注意!!クラッシャー上司> 部下育成に悩む40、50代


 2017年10月16日の朝刊より、「 <要注意!!クラッシャー上司> 部下育成に悩む40、50代」の引用。

 電通の過労自殺に続き、NHKでも過労死が発覚した。その原因として長時間労働が指摘されているが、仕事が苦役となってしまう背景には「クラッシャー上司」の存在もある。働き方改革が急がれ、企業風土や上司の気質といった問題も浮かび上がる中、上司も部下との接し方に悩んでいる。 (三浦耕喜)
 東京駅にほど近いビルの二十階。夜景を眺めながら彼は考えていた。「部下をどう指導していくか…」。四十代も後半となれば、現場からチームをまとめる管理職に引き上げられる。最近課長級の「チームリーダー」になったばかり。十五人ほどの部下を率いる。
 実績には自信がある。大手商社で食品事業を担当。社内での評価もそれなりに高く、最重要の取引先にも出向。海外事業も一から立ち上げた。
 「それも○○さんや△△さんに鍛えられたおかげだな…」。先輩たちは言った。「おまえの給料を稼いでくれている先輩が残業しているのに、帰るのか?」「今日はいくら稼いだ?」
 徹夜で上げた資料を、どこが悪いとも言われずにやり直しと言われた。「なんだ、『クラッシャー上司』ばかりじゃないか」
 理不尽な仕打ちに憤った夜もあった。でも「なにくそ!」という思いを培ったのも事実だ。後輩だった自分たちも「『クラッシュ』しながら鍛える」という「成功体験」が染み付いた。
 社会に出たのもバブル経済華やかなころ。それこそ、二十四時間闘った。大いに叱られた。怒られた。でも、その分成果は出た。給料も上がった。やりがいがあった。うれしかった。今の自分を作り上げてもらったという思いがある。
 だが、それから四半世紀。「クラッシュ」は通じないどころか、組織を壊す時代となった。特に海外ではネックになった。中国では現地スタッフたちが「あの礼儀正しい日本人が、職場では乱暴になるのか」と反発し、去っていった。やがて、同様の現象は日本国内でも起きた。部下を鍛えるつもりでも裏目に出て、人材が流出していった。
 根性と経験、人間関係でやってきた仕事だが、「ビジネス」としてはどうやるものなのか。日本への帰国後、大学の社会人教育の門をたたいた。
 そこで出会ったのが「コーチング」の技術だった。気付いたのは「自分がいかに部下の話を聞いていなかったのか」だ。今や新卒だけでなく、同業、異業種からの転職など、社の人材は多彩だ。ある程度の価値観を共有していれば「クラッシュ」的なコミュニケーションも成り立ちやすいが、教えられたのは「クラッシャーではビジネスはできない」ということだ。
 講師に問われて胸にぐさっと刺さったことがある。「あなたは、ミーティングでも人の話を聞こうとしていないでしょう。あなたがやっているのは、相手を説得しようとすること。でも、相手を動かし、ビジネスを進めるのは、『説得すること』ではなく、『納得させること』なんですよ」
 すべてが変わったとは言わない。でも、以来、後輩たちの話にいろんなヒントがあることに気付いた。「今までの自分は、自分の型に人を合わせようとしていた。おかしなものです。『新しいもの』は『違うもの』から生まれるのに」
 ささやかだが、最近自慢することができた。「育休明けで戻って来た後輩が言うんです。『先輩、話しやすくなりましたね』って」
 とにかく「話を聞く」。考えるのはそれからだ。「クラッシャーにならずに部下を鍛えられるかチャレンジです」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201710/CK2017101602000151.html

<要注意!クラッシャー上司>コーチング編(下) 選手感覚捨て 育て役に

 2017年8月28日の朝刊より、「 <要注意!クラッシャー上司>コーチング編(下) 選手感覚捨て 育て役に」の引用!

 部下をつぶす「クラッシャー上司」にならず、部下の力を引き出せる上司に求められる「コーチング」とは。前回(21日)は、関連著書がある人材開発コンサルタントの谷益美さん(43)に、まずは上司が自身の傾向を把握すべきだということを示してもらった。今回は、いよいよ具体的なコーチングに迫る。(三浦耕喜)
 「コーチングを身に付けるには、まず自身が『コーチ』にならなければなりません」。謎解きのような解説を始めた谷さん。上司はチームの監督やコーチのようなもの。しかし、「ここを履き違える上司が少なくない。上司としてコーチ役になったにもかかわらず、選手の感覚を引きずっている。そこで部下と摩擦を起こすケースが実に多い」。
 どういうことか。「コーチとはチームのメンバーと対話する中で本人に考えることを促し、自ら答えを出せるようサポートする役。そこをわきまえないと、現場時代の自分と比べ、部下に『違うだろ!』と声を荒らげることになる」。確かに。「もう俺がやる!」と部下から仕事を取り上げる上司がいるが、それは監督が打席に入るようなもの。本来の任務ではない。
 「部下にすれば何が悪かったか、どうすればいいのか学びにつながらない。部下の成長は止まり、チーム全体の成果も下がる」と谷さん。「上司が目指すのは『名選手』ではなく『名コーチ』。ただちにスイッチを切り替えるべきです」
 切り替えた上で、コーチングを支える三要素として谷さんは「聞く」「質問する」「伝える」の三つを挙げた。「中でも土台は『聞く』です。話を聞くことができれば、コーチングの基本はOK」と強調する。
 なぜ「聞く」がコーチングにつながるのか。谷さんは言う。「人に話を聞いてもらううちに、頭の中が整理され、新しい視点に気付いた経験はだれにもあるでしょう。『聞く』は受け身に見えて、実は相手に大きな影響を与えます」
 そうか、聞けばいいのかと思っていると、谷さんは腕を組む。「ですが、人の話を聞くのは意外と難しい。自分の意に沿わないと、最後まで聞かないうちに口を挟みたくもなる。耳に音が入る『聞く』ではなく、注意深く進んで耳を傾ける『聴く』技術を要します」
 話を聞いた上で、相手に考えさせるのが「質問する」スキルだ。例えば部下が失敗した場合、上司は部下に事情を問うだろう。「こういう質問は『情報収集型質問』と言います。それで終わっては部下に成長はない。『問題は何だと思う?』『これからどうしたい?』など、気付きを促す質問を加えたい」と谷さん。「考える間を与えるため、沈黙に耐えることも」と言う。
 思考を促すには、上司の働き掛けも必要。アドバイスや指導、励ましなどさまざまだが、谷さんは言う。「大切なことは、きちんと相手に伝わるように伝えること。これが『伝えるスキル』です」と言う。
 例えば、客への対応に問題がある部下の場合。「今日の接客態度、よくなかったね」と上司は言いがちだ。だが谷さんは言う。「それは『意見』を伝えているだけ。部下をへこませて反省させても、どこが悪かったか分からず、改善につながらない。根拠を明確にし、きちんと言語化して伝えることです」。なるほど。「ガンガンやれ!」という感覚的な上司では、部下は育たないわけだ。
 「コーチングは決して特別なスキルではなく、誰もが磨けるもの」と谷さんは言う。そうやって人を育てるところに未来は開けるのではないだろうか。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201708/CK2017082802000153.html
プロフィール

ニャン太郎

Author:ニャン太郎
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
COUNTER
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR