FC2ブログ

不登校生の基礎知識

 『個性派学校 5つ星ガイド』保存版2016より、「心理士 車先生の分かりやすい講義 第5弾!!不登校生の基礎知識」の引用。
【朝の光景】
 「行ってきま~す!」
 平日の朝、8時。子どもが元気に学校に登校するために家を出る、どこのご家庭でも見られそうな光景です。しかし、親御さんの中には決して、どこにでもある普通の光景だと思えないという方も多数、いらっしゃいます。
 そして、今、そのようなご家庭が本当に増えているのです。
 埼玉県に住む高校1年生の娘さんを持つあるお母さんは、「まさか、ウチの娘が笑顔で朝、学校に向かうだなんて夢にも思わなかった・・・」と仰いました。
 その娘さんは、中1の夏休みから卒業までの期間ずっと、学校には行っていませんでした。当時は、気が向いたときだけ、しかも好きな時間に適応指導教室に行っていたのです。
【不登校の定義】
 実は、不登校という状態はどこにでもあるものなんです。決して特別なものではなくなっています。いうなれば、誰でも不登校になる可能性はあります。学校に対しての「風邪」みたいなものでしょうか。
 文部科学省の定義する不登校とは、
「不登校児童とは何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
(文部科学省定義)とされています。
 この定義のもとに調査された不登校児童生徒の数は平成26年度の調査において
 小学生が24,175人(前年度21,243人)
 中学生が95,181人(前年度91,249人)
となっています。
 おわかりのように前年度比で
 小学生 2,932人
 中学生 3,932人(文部科学省定義)も増えています。
 小学生では特に6年生に多く、中学生では3年生がボリュームゾーンになります。
 ということは、小6や中3の子どもには他の学年にはない何らかの大きな問題や葛藤が存在するということなのでしょうか。
 しかし、前出の定義を基準に考えると不思議なこともあります。
 そもそも年間30日の欠席って、月に2~3日の欠席でも不登校になるのでしょうか?年間で29日の欠席だと問題なくて、1日増えるだけで不登校なのでしょうか?
 先程、「風邪」と記載しましたが不登校はまさに風邪と一緒で熱が37.9度だから風邪ではなくて、38.0度で風邪と診断されるこんな変な話って、ないと思います。
 そう考えると、前出の不登校生徒数も怪しくなります。
 しかし、文部科学省が把握している数字として、何かの参考にはなるのではと思われます。
【子どもが不登校になった際に・・・】
 さて、朝、子どもが学校に行きたくないと思って、蒲団から出てこなくなった時、親御さんはどのように対応していっているのでしょうか。
・叱りつけ、引っ張ってでも学校に連れていく
・嘆き悲しみ、途方に暮れる
・本人の好きにすればいいと放っておく
 親御さんの初期対応としては、上記の3つでしょうか。
 親御さんの中には「突然の出来事に嘆く!」といった方も少なくないはずです。しかし、実は親御さんが気付いていないだけで全然、突然ではないケースも多々あります。
 子どもは学校の状況に対してSOSを出しているはずです。そのSOSに気が付いて、対応していれば結果は変わったかも知れません。
 子どもは学校の辛い状況に耐えて耐えてそして、頑張って頑張って頑張った結果、これ以上無理・・・ともう頑張れないという状況に陥ります。
 したがって、不登校は、突然でも何でもなく「今まで頑張った結果」と考えることが出来るのではないでしょうか。
【不登校という問題の最初の捉え方】
 それでは、親御さんや学校の先生は「不登校」という状況をどのように捉えれば良いのでしょうか。
 箇条書きにまとめてみました。
①登校を「拒否」しているのではない
②病気(いわゆる「精神病」)ではない
③登校に関しての「怠け」でもない
④「成長発展上」の問題である
⑤現在は心理的な「脱皮」の作業をしている
⑥本人は何もしていないように見えるが、実は「重要」なことを行っている
⑦本人にとっては必要な「時期」である
 何かの本には、「子どもは不登校を選んでいる」と書いてありました。その本を批判するつもりはありません。
 しかし、私がカウンセリングした子どもは決して「不登校」を選んだ訳ではありませんでした。
 「じゃあ、何なの?」とお聞きになる方もいます。
 何なの?と言われても、今、不登校という状況になってしまった・・・という回答しか見当たりませんが・・・
【不登校の原因】
 不登校と聞くとスグに「なんで、行かないの?何故?」と聞く親御さんや学校の先生がいます。
 なぜって聞いて、すぐに応えられるのであれば抱えているその不登校問題はすぐに解決できるかもしれません。
 しかし、私が関わった不登校の子に仮に「なぜ、学校に行かないの?」と聞いても、絶対にすぐに答えは出てこないでしょう。
 実際、私は「なぜ、学校に行かないのか?」と子どもに聞くことはほとんどありません。
 なぜなら、そもそも不登校という状況は、なぜと聞かれてもそう簡単に応えられる問題でもないからです。
 夫婦喧嘩で例えてみましょう。喧嘩の直接的な原因は、ささいなことかもしれません。しかし、毎日の生活の中で溜りに溜まった不満が、ある小さな火種で大爆発するのです。
 そして、今まで我慢に我慢を重ねてきた不満がさらに感情を高ぶらせるのです。
 こういった事ってありませんか?まさか、私の家庭だけの話でしょうか?
 子どもに不登校の原因を聞いてもあまり意味はないと先程、書きました。
 しかし、それでも不登校の原因が気になるはずです。そこで、不登校の原因として挙げられるもの4項目を記載しておきましょう。
①「勉強」についていけない
②「意味のない」授業や行事
③教師からの「叱責」
④友だちからの「いじめ」
 概ね、こんなところでしょうか。無理に聞き出してもこの4つの内のどれかが回答になると思います。そう考えると、無理に聞き出しても・・・って思いませんか?
【不登校という状態について・・・】
 実際、子どもが不登校になった際に「この世の終わりだ・・・」「子ども未来は真っ暗だ・・・」と言わんがばかりに取り乱す親御さんも過去、いらっしゃいました。では、不登校という状況についてどのように理解を深めるべきなのでしょうか。
①「そうせざる」を得ない状況である
②何かにのめり込んでいないと「不安」になる
③のめり込むのは「娯楽的」なものが対象となる
④夜は本人にとって一番「安全」である
⑤「家庭内暴力」にも理由がある
⑥「明日は行く」と思ったことは決して「嘘」ではない
 暴力は決して許されるものではないと思います。しかし、暴力を暴力で抑え込んでも解決にはなりません。
【不登校の子どもに対しての基本的な考え方】
 では、親御さんや学校の先生は不登校の子どもに対してどのように接していけばよいのでしょうか。
①その子の「感情」をキャッチすることに全精力を傾ける
・ひたすら「気持ち」を聴くことに徹する
・親や先生自身が受けとめたことをきちんと「言葉」で返す
・その時々の子ども自身の「気持ち」をきちんと掴んでおく
②子どもの自主性を育てていく
・小さなことでも子ども自身に選択させたり、「決断」させたりする
・子どもが「自分」で決めたということを必ず確認する
・子ども自身が自ら選択・決断したことについては最大限「尊重」する
 いかがでしょうか。
 親御さんも先生も普段、何でもないことに対しては子どもの言い分をしっかり聞いて下さっているのに「不登校」など、ご自身の経験のない状況に関しては、子どもの気持ちを聴くよりも往々にして「説得」してしまいがちです。
 または、よくある話で「社会はもっと厳しいのだから、今、この位で負けてどうする!」という話もよく聞きます。
 そもそも、その勝ち負けは誰と勝負しているのでしょうか。いつから勝負しているのでしょうか。
 社会が厳しい・・・だから、今、頑張って学校に行こう!そんな子どもが、この日本にいるのでしょうか?
 もしかしたら、いるのかも知れません。しかし、私がカウンセリングをした数千人の子どもの中にはいませんでした。
【不登校の子どもへのアプローチの原則】
 では、現在、不登校である子どもに対して何らかのアプローチをかける際にどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。
「不登校生徒本人へのアプローチの原則」(*例外もあります)
①登校を強要したり、いたずらに「原因」を追求したりすることは避ける
②あまり構われたくないという気持ちとそれでいて学校と完全に切れてしまうのは嫌という微妙な「心理状態」にあることを理解する
③できる限り「受容的・共感的」な態度で接する
④初期には学校の話題を避け、「信頼関係」を結ぶ必要がある
⑤こころの中に「土足」で入り込むようなことはしない、決して「無理強い」しないということを子どもにうまく伝える
⑥その子が引きこもり状態であるときは、無理に「本人」に会おうとしない
 あくまでこれは、カウンセラーとして私が常に子どもと接するために心掛けてきた原則です。
 ただ、多くの子どもは「あまりにも構われすぎても鬱陶しいけれど、完全に放っておかれると寂しい・・・」という矛盾の中にいます。
 その上で適切な距離感を保って、うまく近付いていくのです。
 親子なのだからどんなことでもすぐに打ち解けることが出来る・・・という考えはなるべくお捨て頂いた方がいいかもしれません。
【ソーシャルスキルとは・・・】
 現在の子どもの状況が気になるのはもっともなことです。しかし、今回の問題を仮にクリア出来たとしてもまた、同じような状況になってしまう可能性も「0」ではないはずです。
 その際、また同じ状況に陥らないためにも問題解決スキルを身に付けておいても良いかもしれません。
 その問題解決スキルは、社会性を育てることで代替できることもあります。その社会性スキルというものは、「ソーシャルスキル」と呼ばれています。
 具体的にソーシャルスキルとは、
①その場の「雰囲気」が分かること
②自分の発した「言動」を相手がどのように受け取るかを想像すること
③自分の「考え」を上手に相手に伝えることができること
を指します。
 もっと簡単に言えば、ソーシャルスキルとは「お友だちと無理なく上手くやっていく」ことだと思って頂ければ幸いです。
 今が不登校という状態であるならば、その状態を大いに活かして「ソーシャルスキル」を身に付けさせていくというのはいかがでしょうか。
 ソーシャルスキルだけに囚われなくても何か新しいことにチャレンジして、そのスキルを身に付けていくことは必要です。
 一番よくないのは、学校に行かないからといって一日中、家でゲームやアニメ、マンガなどのハマりきってしまうということです。学校に行かないなら行かないなりに何をやらせていくか、と考えてみるのも一つの手です。
 しかし、それが「押し付け」であってはいけません。モニタリングをした上で本人が楽しそうだと認められるものを探してみて下さい。
【最後に】
 子どもが不登校になったからと言って、慌ててはいけません。しかし、放っておいてもいけません。
 適切な距離を保ちつつ、まずは情報収集に努めましょう。ある程度情報が集まった後、どう行動するかを検討しましょう。
 子どもの特性にあったカウンセラーや心理士がいるのであれば、カウンセリングや認知行動療法なんかも有効です。
 私自身も実際に認知療法に加えて、アンガーマネジメントやストレスコントロール、ロールレタリングなどを行っています。
 そして、未来のどんな出来事に対しても自分で対応できるようにトレーニングしていきます。信頼できる先生がいるのであれば、その先生に相談してみてください。
 とう研究所(興学社教育研究所)では、子育てに関するさまざまなアドバイスを無料で行っております。いつでもお気軽にご相談下さい。
・車 重徳
 心理士/カウンセラー、NPO法人興学社教育研究所 副理事長、興学社高等学校 副理事長、わくわくクラブ 部長
TEL 047-309-7715

スポンサーサイト

CAS性格検査

 「CAS 不安測定検査 Cattele Anxiety Scale」--心のSOSをいち早くキャッチする-心の健康診断--
・抵抗のない質問でストレスが生じません。
 不快な質問はほとんどありません。質問紙形式テストにありがちな答えにくい質問がないので、被験者がストレスを感じません。
・5つの不安因子でプロフィールを診断します。
 自己統制力 自我の弱さ 疑い深さ 罪悪感 感情性の5つの因子で不安傾向を測定します。5つの因子の総合から不安傾向を診断できるだけでなく、因子別にプロフィールを描くこともでき、一人ひとりの性格特徴もつかめます。
・情緒の安定度が分かり、心の健康を診断できます。
 欲求不満やストレスなどによる不安傾向をいち早く把握することは、いじめの早期発見や不登校・反社会的行動の予防に役立ちます。定期的に実施することで、情緒不安定な生徒をスクリーニングでき、心理的ストレスや不安を抱える生徒を発見できます。
・カウンセリングに有効な情報を提供します。
 本検査は、同一被験者に繰り返し利用することができます。カウンセリング等で不安が軽減されると情緒が安定し、検査得点(不安点)も低くなります。カウンセリングや治療の効果測定にも有効です。
・質問項目40問、短い時間で的確な診断ができ、採点方法も簡単。
 綿密な因子分析の結果、質問項目を精選してあります。信頼性と実用性を両立させた優秀なテストとして学会からも高く評価されています。

http://www.saccess55.co.jp/kobetu/detail/cas.html
プロフィール

ニャン太郎

Author:ニャン太郎
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
COUNTER
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR