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保育園落ちた いつになれば解消する

 2017年2月27日の朝刊の社説欄より、「保育園落ちた いつになれば解消する」の引用。
 ニーズは、「幼稚園」ではなく、「保育園」なんですね。「文部科学省」の管轄と「厚生労働省」の管轄・・・これって、なんとかならないんでしょうかねぇ~!!!
 四月の保育所入所をめぐり、今年も「保育園落ちた」の悲痛な声が相次ぐ。首相は新年度末までの「待機児童ゼロ」の目標達成は困難との見方を示した。対症療法でなく抜本的に政策転換すべきだ。
 積年の待機児童問題はいつになったら解消するのか。
 子どもが四月から認可保育所に入所できるのか、二月は自治体から可否通知が届く。「妊娠中から保活に走り回ったが入所できなかった」「入所先が見つからず退職」「会社の託児所に一歳児を預かってもらうことになったが、子連れで満員電車に揺られることになる」。国会内で開かれた集会では、認可保育所に入れなかった母親たちの怒りの声があふれた。
 「保育園落ちた」と窮状を訴える匿名ブログが話題を集めて一年たつが、問題はさらに深刻化している。厚生労働省によると、待機児童数は二〇一六年四月で約二万三千人で前年より増えた。背景には非正規雇用の増加で世帯収入が減り、幼い子を持つ母親の就業率が高まったことなどがある。
 国や自治体は保育施設を新設するなどして定員を増やすものの、入所希望者がそれを上回る勢いで増えるために追いつかない。
 国はどう責任を持つのか。一三年に発表した「待機児童解消加速化プラン」は、五年間に保育の受け皿を五十万人分整備し、待機児童をゼロにする計画だった。だが目標達成について安倍晋三首相は「厳しい」と国会で答弁。
 この間の対策には応急策が目立った。保育士配置や施設面で基準を緩和し、狭いスペースに子どもを詰め込もうとする。二歳児までの小規模保育所を増やしたが、それも三歳になれば行き場を失い、また保活を迫られる。企業主導型保育所も保育士の配置基準が緩く、親たちの心配は尽きない。
 もっと政策の優先度を上げて予算を投じ、国の基準を満たした保育所を増やす。保育士の給与引き上げも一部でなく全体の処遇改善につながる政策が必要だ。
 国はいまだに正確な待機児童数を把握していない。自治体によっては認可保育所に入れずに育休を延長したり、認可外施設などに入った場合は待機児童に数えていない。こうした「隠れ待機児童」を含めて九万人規模とも。都会の問題だとみられてきた待機児童は地方にも広がっている。
 子どもの数は減っても保育の需要はこの先も増える。今こそこうした社会構造の変化に向き合った抜本的な政策転換を図るべきだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017022702000136.html
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少年法 立ち直りこそ第一に

 2017年2月20日の朝刊の社説欄より、「少年法 立ち直りこそ第一に」の引用。
 少年法の適用年齢を十八歳未満に引き下げる諮問が法制審議会に出された。現行制度は刑罰よりも保護が適切だと判断された経緯がある。立ち直りを第一に考えて、安易に引き下げるべきではない。
 少年事件はすべて家庭裁判所が事件の調査をする。少年鑑別所で約四週間、心理学や教育学、社会学などの科学的見地から鑑別調査が行われる。
 同時に家庭裁判所でも調査官が非行少年や両親らに面接したり、学校や勤務先で聞き取り調査などが行われる。人間行動科学に基づくデータを踏まえ、非行の原因を探り、背景を解明し、その少年にとって最善の処遇方法を決める。
 もともと少年は成長過程にあり、犯罪も資質と生まれ育った環境に大きく起因していると考えられているからである。立ち直りを第一に考えて、制度設計がなされているともいえる。
 日弁連によれば、現行制度ができた一九四八年には国会でもそのような考え方が広く支持された。「この年齢の者はいまだ心身の発達が十分でなく、環境その他外部的条件の影響を受けやすい」「彼らの犯罪が深い悪性に根ざしたものではなく、刑罰を科するよりは、むしろ保護処分によってその教化を図る方が適切である」などの答弁がある。
 刑務所に入れるよりも、教育の力が再犯の防止に有効だと考えられたのだ。犯罪や非行に走る少年には自己肯定感が低いというデータもある。「自分など生きていても仕方がない」などと考えてしまう。だから、再犯防止に必要なのは、まず少年の深い心の傷を受けとめることである。
 教育の力によって、少年は被害者の痛みや心情に向き合うことができる。謝罪の気持ちもそうして生まれる。このことは米国で論証されている。司法省の一機関が発表した論文では、六つの研究において、「刑事裁判所に送致された少年は、少年裁判所に送致された場合より、より高い再犯リスクを有する」という結論を導き出しているという。
 確かに選挙権年齢は既に十八歳に引き下げられた。民法の成人年齢も同様に引き下げる法案が準備されている。だからといって、少年法も連動させていいのか。仮に引き下げれば家庭裁判所が取り扱ってきた少年被疑者の約40%は少年司法手続きからは除外される。法の目的に照らし、少年法は考えるべきである。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017022002000127.html

新学習指導要領 量と質、二兎を追えるか

 2017年2月15日の朝刊の社説欄より、「新学習指導要領 量と質、二兎を追えるか」の引用。結局、現場に丸投げですか!!!????金は出さないけど、口は出すってやつ???
 学びの量と質。その二兎(にと)を追うという。文部科学省が公表した小中学校の次期学習指導要領の改定案だ。高度な理念にはうなずけるが、先生の裁量を狭め、創意工夫の余地を奪うようでは困る。
 昨年十二月の中央教育審議会答申に基づき、文科省が改定案づくりを進めていた。新指導要領は二〇二〇年度から順次実施される。
 学校が編成するカリキュラムの基準となる。現行要領までは、学ぶべき知識や技能を中心に定めてきた。それを転換して、身につけるべき資質や能力に主眼を置いた構造に見直す。
 何を学ぶかに加え、何ができるようになるかという到達目標をより明確にし、自ら学びに向かう力や態度を養うという。「個性重視の原則」を打ち出した一九八〇年代の臨時教育審議会答申の集大成と評価する向きもある。
 知識の詰め込みか、ゆとりかと教育論争を繰り広げる間に、人工知能が人間に取って代わる社会が到来した。インターネットは大量の知識を蓄えている。もはや「知っている」だけでは、人生を切り開くのは難しいかもしれない。
 いわば教科書のない世界とどう向き合うか。問われるのは、多面的に見たり、柔軟に考えたりできる力、豊かな感性だろう。それを言葉で伝える表現力も大切だ。
 そうした力や態度を育てるために、新指導要領案は「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を求める。世間で「アクティブ・ラーニング」と呼ばれる能動的な学び方を意味する。
 例えば、集団で調べたり、討論したりして結果を発表する。子どもの参加意識を高め、やる気を引き出すのに効果的という。
 日本の子どもは、自尊心が低く、受動的とよくいわれる。教育風土や学校文化が影響しているなら、その改善にも結びつけたい。
 心配なのは、先生の多忙を解消できるかだ。事務を削り、部活動の縛りを緩めなくては、授業の準備や研究に専念できない。ただでさえ、授業時間が満杯なのに、英語やプログラミング教育などを押し込んで消化できるか。
 教え方や評価の仕方まで細かく押しつけては、子ども不在の形式ばかりの授業が広がりかねない。現場の積み重ねを尊重し、先生にも学ぶ時間を与えたい。
 小中学校の教育理念を高校へつなげ、その成果を問うための大学入試へ、と改革が同時に進んでいる。旗を振る文科省は財政面、人材面でしっかりと支えるべきだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017021502000138.html

<変革2020> アクティブ・ラーニング(下)

 2017年1月22日の朝刊より、「<変革2020> アクティブ・ラーニング(下)」の引用!
◆現場教師「どう進めれば」
 教える内容の量を減らさないことが、二〇二〇年度から順次始まる次期学習指導要領の前提だ。その下で、授業は児童や生徒が主体的に学ぶ「アクティブ・ラーニング(AL)」へと、転換が図られる。どう進めたら良いのか、現場の教員は戸惑いながら授業の組み立てを考えている。
 「数学ができない生徒たちならどうするのか」「話すのが苦手な子にはどうするか」
 静岡県沼津市の市立沼津高校で昨年十一月、成岡正晴教諭(33)が実践した数学のALの公開授業を視察した県内の教員から、具体的な対応や課題を問う声が次々に上がった。
 説明を少なくし、代わりに生徒に自ら問題を解かせ、教え合い、話し合わせる授業。教員らは、うまくできた点や課題を指摘しあいつつ、これから直面するかもしれないさまざまな生徒や教室の状況に思いを巡らせて、考えた。
 高校で新学習指導要領が開始されるのは二二年度から。だが、すでに県内の市立高校五校は、昨年から、ALの推進で協力。各校は、それぞれ教科ごとに責任教員を指名し、その教員を中心に、校内外で授業法を研究したり、先進的な他県の学校を視察したりしている。教材も開発する。「基本方針が出てからでは遅い。今やらないと」と、市立沼津高校の川口孝博校長(64)は話す。
出版が相次ぐアクティブ・ラーニングの本
 ALの全面実施に向け、ここ数年、各地で動きが盛んになっている。書店にはAL関連の本が数々並ぶ。愛知県の高校教員が集まり、昨年十一月に名古屋市で開いた教育研究集会でも、ALが話題の多くを占めた。
 数学でALを実践した教員は、「生徒にはおおむね好評だった」としつつ、「期待したような成績の向上はなかった」「話し合いを嫌って保健室に行く生徒もいた」と報告した。
 授業の進め方や、話し合いが苦手な生徒への対応などの悩みが、複数の教員から漏れた。何を基準に評価すれば良いのかと疑問も上がった。教える内容を減らさずに、教え方を変えることへの負担感も聞かれた。
 河合塾が昨年十月に名古屋市で開いた教員向けの講習会に参加したある高校教員は、「一時間、ALをやっても、ふわっと消えていくだけ」と限られた時間の中で行う手応えのなさを明かした。
 東京学芸大の大森直樹准教授(教育学)は、「負担感の強い教育現場にさらに負担を強いる、問題の多い改訂だ」と指摘する。「プログラミング教育の必修化など教える内容が増える上、ALの実施が指導要領に記されることで、現場の裁量が奪われかねない。話し合う形を整えるだけの形骸化したALが広がる恐れがある」。そうした懸念の残る中でのALの導入だ。
 「やらなければいけないが、どう進めればいいのか」。現場は悩みながら授業を始めることになる。
◆納得・理解促す工夫を 形だけでは不十分
 ALの先進例として各地から教育関係者が視察に訪れているのは、横浜市にある私立中高一貫の大規模進学校、桐蔭学園だ。近年、受け身の姿勢の生徒が目立つようになっていたといい、二〇一五年度から、ALの全面導入を図った。
 推進役となる中学と高校の教員各十五人が、新学期前の三月に合宿し、ALに詳しい京都大の溝上慎一教授の指導を受けた。互いの授業を常に公開し、生徒の参加の度合いなど、五つの評価点を列挙したチェックシートを用い相互に観察。成功例も失敗例もすぐに共有する。
 実践から見えてきたのは、話し合うという形を整えるだけでは不十分だということ。授業の目的は、話し合いではなく、生徒のテーマに対する納得や理解だ。傍観する生徒が出ないよう、教員は生徒の理解度を把握し、時にパワーポイントなど機器を使いながら知識や技能を適宜補う。
 発問も工夫する。答えがすぐわからないレベルの疑問を生徒に投げかけ、議論を促す。話し合いやすい空気も普段からつくる。授業の最後に、学んだことを個人がしっかり振り返るようにする。
 「ALは学校ごとに、教員ごとにつくり上げる必要がある」と入試広報部長の佐藤透さん(57)は話す。
 (佐橋大、古池康司)

<変革2020> アクティブ・ラーニング(中)

 2017年1月15日の朝刊より、「<変革2020> アクティブ・ラーニング(中)」の引用。
◆大学教育の改善が発端に
 2020年度から順次実施される次期学習指導要領の柱「アクティブ・ラーニング(AL)」。教師が一方的に教えるのではなく、児童・生徒が主体的に学ぶという教育観の転換は、そもそもは大学教育の改善に端を発している。なぜ大学で、ALが求められるのか。
 東京・池袋にある立教大経営学部。二〇〇六年の学部発足時から米国の実践を取り入れて実施する「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」は、高度に設計されたALとして知られ、全国から大学関係者らが見学に訪れる。
 「論理思考」をテーマにした昨年十一月の授業では、一年生三十人が三、四人でグループに。スチューデントアシスタント(SA)と呼ばれる補助役の二年生が、クラスの懇親会の予算や会場をどうするかという問いを投げ掛けた。
 「どんな店がいいのかな」「予算は二千円? 三千円?」。六、七分ほど議論しても話は進展せず、再びSAが「どうしよう、どうしようで時間が過ぎてしまうよね」と切り出し、議論から講義へスイッチ。目的の確認、条件の検討といった話し合いを進める技術について説明を始めた。担当教員が時折補足するものの、全体的には学生中心で授業が進んだ。
 このプログラムの「リーダーシップ」とは、組織のトップの権限に頼らずに集団を動かしていく能動的な力のこと。一人一人に主体性やコミュニケーション力が求められる。学生たちは企業から示された商品開発プロジェクトに取り組むなどしながら、議論の進め方や情報伝達の手法も学ぶ。
 プログラムを担当する高橋俊之特任准教授は「専門的な知識だけでは不十分な時代。さまざまな人と力を合わせて物事を進める“筋力”を身に付けさせたい」と話す。こうしたリーダーシップ育成は、早稲田大や国学院大など他大学にも広がっている。
◆産業界側からもニーズ
 ALに関する理論の第一人者で京都大高等教育研究開発推進センターの溝上慎一教授(高等教育)によれば、ALは米国が発祥。第二次世界大戦後、特に一九六〇年代以降に大学は進学者が増加して大衆化が進み、従来の講義型では授業が成立しにくくなる中で、求められるようになった。
 日本では二〇〇〇年代以降、主に大学教育の分野で注目されるようになった。グローバル化や情報化、少子高齢化、日本型雇用環境や産業構造の変容など急激に変化する社会に対応する能力を、学生に備えさせていないという大学側の反省が一つの理由だ。
 産業界側の要望もある。人材育成会社・リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所の古野庸一所長によれば、企業の研修でもAL型の講習が盛んだという。どの業界も「これまで通り」が通用せず、「議論を重ねて多様な意見をまとめて企画し、イノベーションしていく人材が求められている」と言う。
 国の教育施策では、一二年八月に中央教育審議会(中教審)が大学教育の改革を求めた「質的転換答申」に初めて登場。「未来社会を生き抜く力」を学生が身に付けるため「主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修」への転換が必要だとした。以降、政府の教育再生実行会議による第七次提言(一五年)や大学入試改革の方向性などを示した「高大接続改革最終報告」(一六年)にも盛り込まれ、教育のキーワードとなった。
 「社会の変化に、大学も対応しなければならない」と溝上教授は力を込める。京大生でも三割が就職できないというデータを挙げ、ALによって大学と社会を「接続」する重要性を説く。小中、高校でALを導入するのは、大学への「学びのリレー」が求められているからだ。
 では現場はどう受け止めているか。次回二十二日に報告する。
 (古池康司)
「政策として登場する「アクティブ・ラーニング」」
・学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要(2012年8月「質的転換答申」)
・小・中・高等学校から大学までを通じて、課題解決に向けた主体的・協同的で、能動的な学び(アクティブ・ラーニング)へと授業を革新(15年5月・教育再生実行会議第7次提言)
・課題の発見・解決に向けて生徒が主体的・協働的に学ぶいわゆるアクティブ・ラーニングの視点から授業改善(16年3月「高大接続改革最終報告」)

<変革2020> アクティブ・ラーニング(上)

 2017年1月8日の朝刊より、「<変革2020> アクティブ・ラーニング(上)」の引用。
◆受け身授業「能動的」に
 小中高校で教育内容の基準となる学習指導要領が大きく変わり、二〇二〇年から動きだす。柱の一つが、「アクティブ・ラーニング(AL)」の全教科での実施だ。教師が一方的に教えるのでなく、児童や生徒が主体的に学ぶ学習法という。ALとは何か。三回で伝える。まずは現場の実践から。
 「昔と今の地図を見比べ、違いを読み取る。どうして変わったのか考えられるようになろう」
 滋賀県草津市の松原中学校。昨年十一月、二年生の社会科の授業で、冒頭、水谷哲郎教諭は生徒たちにこう語った。生徒に配られたのは、草津市の現代と昭和二十年代の地図。一人一台渡されたタブレット端末に、気付いたことを書き込んでいく。内容は液晶プロジェクターに映し出され、クラス全員で共有された。
 「昔は田んぼが多い」「池が埋められた」といった書き込みから、水谷教諭は「なぜ、田んぼは減ったのか」など背景を考えさせたい変化を三つ選び、グループで話し合わせた。
 「田んぼを埋めて、家を建てたんやろ」「それ何で?」「工場とか建ったから」。議論が進むにつれ生徒の疑問も考えも広がる。生徒が答えを黒板に書き出すと、全面が埋まった。
 水谷教諭は、項目の関連性を指摘し、出なかった要素は補った。生徒に「なんで、そうなったんやろ?」と問い掛け、さらに深く考えさせていく。理解は、道路網の整備が工場立地を促し、人口増加につながったことにまで至った。
 生徒が課題を話し合う過程で教科書を読み、教え合い、学び合う。水谷教諭が十年前から続けているこうした授業は、まさにAL。教師側が一方通行で教えるのが中心の従前の授業との違いを、「私が予想する以上の答えが生徒から出てくる」と指摘した。
      ◇
 テーマは歴史認識や現代社会、国際関係などの複雑な問題にも及ぶ。
 名古屋市東区にある旭丘高校では昨年十一月、二年生の「日本史A」の授業が、生徒の話し合いを中心に進められていた。テーマは「韓国併合はやむを得なかったのか」。
 併合後から第二次大戦前の日本、朝鮮、台湾の経済成長率などのデータを見ながら、意見を述べ合う。担当する中西優徳教諭は「歴史の多面性に気付いてほしい」と言う。参加した高桑みなみさんは「話し合って考えると、理解が深まる」、関本大勢君は「知識が定着しやすい。時代の流れが分かる」と臆せず話した。
      ◇
 五教科にとどまらず、中高一貫の私立名古屋中(名古屋市東区)は、美術でもALを導入している。
 「私たちの名画鑑賞」と題した授業。ゴッホの「ひまわり」やクリムトの「接吻(せっぷん)」など、生徒たちは選んだ作品ごとに三~五人に分かれる。タブレットや書籍で作品の解説や魅力を調べ、色彩や構図といったポイントに着眼して話し合い、全十時間かけて言葉でまとめた。「なんとなくいいね」という印象だけで終わりにしない。
 ほかに「死刑」をテーマに社会科で学習し、国語で討論し、英語で表現する教科横断も、同中は進める。森田祐二教頭は、「ALは論理的思考を養う学習実践だ」と考える。
◆教師側のこつが必要
 ALは、学ぶ人が受け身でなく、能動的に取り組む学習法の総称だ。文部科学省は、その目的を「主体的、対話的で深い学びの実現」としている。
 数人の班で対話し結果を発表する、班を作らず自由に対話する、対話の相手を途中で意識的に変える、グループごとにまとめず個人で学んだ結果を振り返る-など、いろいろな手法がある。小学校の総合学習などで、ALと名乗らなくても実質的に取り入れてきた授業もある。
 高校教師として物理の授業などでALを実践してきた産業能率大の小林昭文教授は「教師が一方的に説明せずに、児童生徒の一人でも主体的に学ぼうという意欲が出れば、それはAL型の授業といえる」と話す。
 学習のポイントをプリントにまとめることで教師の説明の時間を短くし、その分を話し合いなどに充てる。授業の最後に「確認テスト」などの振り返りの時間も設けるのが小林教授の授業法。「話し合いを促す声のかけ方や、適切なテーマと時間の設定、ワークシートの作り方など、こつもいる。簡単ではないが、変化する社会に応じて教育も変わらなければいけない」
 ALが求められる背景を次回十五日に紹介する。
 (佐橋大、古池康司)
「学習指導要領」
 小中学校、高校で教える内容や目標を示した国の基準で、約10年に1度、改められる。2008年の改定では、学習内容を3割削減した「ゆとり教育」路線を修正した。中央教育審議会は次の改定に向け約2年かけて議論し、文部科学省は審議会の答申を受け、16年度中に改定する。実施は小学校で20年度、中学校は21年度、高校は22年度からとなる見込み。
プロフィール

ニャン太郎

Author:ニャン太郎
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