中学生 読解力に難

 2017年9月23日 朝刊の朝刊より、「中学生 読解力に難」の引用。
 「コミュニケーション能力」が重視されて、「話すこと」にばかり指導していませんか?その結果、「読む力」が劣ってしまっていませんか???

国立研究所 新聞など題材、調査
 短い文章から事実を正しく理解する「基礎的読解力」について、国立情報学研究所の新井紀子教授や名古屋大学などのグループが、全国の小中高校生や大学生、社会人らを調べたところ、多くの中学生の読解力に問題があることが分かった。中学卒業までの読解力が将来に影響するという。
 調査では、中学や高校の教科書や、東京新聞などに掲載された記事など数百の題材をもとに問題を作り、コンピューターで無作為に出題した。
 三十分間でできるだけ多く解いてもらい、内容を正しく把握できているかを調べた。昨年から今年にかけて、全国の約二万四千人に実施した。問題はすべて選択式で、文章の意味が分かれば、知識がなくても解ける。
 その結果、中学三年生の約15%は、主語が分からないなど、文章理解の第一段階もできていなかった。約半数が、推論や二つの文章の異同などを十分に理解していなかった。
 また、基礎的読解力は中学では学年が上がるにつれて緩やかに上昇するが、高校では上昇しなかった。高校の教科書が理解できず、力が伸びていない可能性があるという。基礎的読解力と進学できる高校の偏差値との間には、強い相関があった。
 新井教授は「基礎的な読みができていないと、運転免許など資格の筆記試験にも困難を伴うと予想される。中学卒業までに中学の教科書を読めるようにしなくてはならない」と話した。
 グループは今後も調査を継続し、基礎的読解力に困難を抱える子どもの早期発見や支援策の検討に役立てる。分かりやすい教科書作りなども提言していく。 (小椋由紀子、吉田薫)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201709/CK2017092302000119.html
スポンサーサイト

不登校につながる「ネット依存症」

 2017年9月19日の朝刊に「不登校につながる「ネット依存症」」という記事が載っていた。引用します。
 夏休み明けは、子どもたちの不登校が増える時期。その原因の一つとして十年ほど前から注目されてきたのが、ネット依存症(インターネット使用障害)だ。中学生から大学生までの男子に多くみられ、オンラインゲームに没頭するケースが多い。課金制のゲームで浪費したり、親との関係がこじれて、暴力につながることも。八日に横浜市で開かれた日本アルコール関連問題学会のシンポから、二つの医療機関の取り組みを紹介する。
 「この時期の外来は、新しい予約がぎっしりです」。大阪市立大病院精神神経科の片上素久医師が説明した。大半はオンラインゲームに没頭して、生活が昼夜逆転し、夏休み明けから学校に通えなくなった子どもたちだ。
 こうしたネット依存症が広がる原因を、片上医師は「勉強で一番になることは難しくても、ゲームでは成果が出て、友達の称賛を浴びることができる。現実の社会で成果が上がらない場合は、依存しやすくなる」と分析する。親は治療に熱心でも、本人の治療意欲は著しく低いのが共通点だ。その状態で無理にネットを絶たせると、ますます治療から遠ざかってしまう。親の「過度な期待」に応えられず、自己否定感を抱いている場合が多く、家族の関係のゆがみを修正することが治療の基本だという。
 片上医師は、自己肯定感を高めるためには、家庭で親が接し方を改める必要があり▽少しでも本人ができたことをほめる▽新しいチャレンジにはお駄賃をあげる-などの対応が有効と指摘した。
 治療法として、集団精神療法も取り入れている。互いの体験を語り合うことで、ネットに依存している自分の状態を把握し、孤独感が薄まることで病気に立ち向かう力になるという。
      ◇
 依存症の治療で知られる国立久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の臨床心理士・三原聡子さんは「ゲームの刺激に対する脳の前頭葉などの反応は、アルコールなどさまざまな依存症と似通っている」と指摘し、進行すれば治療が必要になることを強調した。
 同センターでは、認知(考え)のあり方を修正する認知行動療法、ネット以外の楽しみを見つけるためのデイケアなどのほか、必要に応じて二カ月程度の入院治療を取り入れている。
 スポーツ、作業療法、グループ療法などを組み入れつつ、睡眠や栄養の状態を改善し、今後の生活設計を医師らと話し合っていく治療で、ネットを使う回数が減ったり、学校へ通えるようになるなどの成果が出るケースが多い。二〇一四年からは、夏休みなどに治療キャンプを実施。渋々参加した子どもたちは、ボランティアの大学生と接したり、自然に触れたりする中で新しい楽しみを覚え、ネットを使う機会を減らせることが多いという。
 ネット依存症を扱う医療機関は徐々に増えてきたが、治療はまだ手探りの状態。三原さんは今後の課題として▽依存対象や治療段階に応じた効果的な認知行動療法のテキストの作成▽臨床データの蓄積▽予防教育への応用-などを挙げた。
 (編集委員・安藤明夫)
<ネット依存症>
 インターネットに過度に没入し、パソコンや携帯が使用できないといらだちを感じるなどして、実社会の人間関係や心身の健康に弊害が出ているのに、依存をやめられない状態のこと。中国や韓国でも大きな社会問題になっている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201709/CK2017091902000171.html

『教室の困っている発達障害をもつ子どもの理解と認知的アプローチ』宮口幸治(明石書店)1,800円+税


非行少年の支援から学ぶ学校支援
 医療少年院で矯正教育に携わってきた著者が、医療少年院の発達障害をもった少年少女と、学校現場で困難を抱える子どもたちに共通する背景と理解の仕方、具体的な支援方法を解説。

CLILとアクティブラーニング

3つの観点
①「習得・活用・探究」という学習プロセスの中で、問題発見・解決を念頭においた深い学びの過程が実現できているか。【深い学び】
②他者との協働や外界との相互作用を通じて、自らの考えを広げ深める。対話的な学びの過程が実現できているか。【対話的な学び】
③生徒たちが見通しを持って粘り強く取り組み、自らの学習活動を振り返って次につなげる。主体的な学びの過程が実現できているかどうか。【主体的な学び】

 CLIL(Content and Language Integrated Learning)とは、近年ヨーロッパで急速に広まっている外国語に関する教育法で、理科や社会などの教科学習と外国語の語学学習を統合したアプローチです。日本では、英語教育法の一種と考えられていますが、先生の能力に応じて英語を使いつつ、小学校の先生が熟知されている算数、理科、社会などの教科を、母語(日本語)と簡単な部分は英語で説明できる点で、単なる英語指導方法と異なります。また、単に知識を与える学習法ではなく、生徒が能動的に考えたり、グループで話しあったりすることを重視し、加えて一つのテーマについて体系的に多様な指導方法(絵を描く、歌を歌う、身体で表現する、グループで話し合って問題を解く、寸劇をする)を用い、言語材料は繰り返し、スパイラルに取り入れながら学んでいきます。PBL(プロジェクトベース型学習)と協同学習をミックスした、21世紀型のアクティブラーニングと言えます。

中学部活 静岡市教委がガイドライン

 2017年9月9日のニュースに「中学部活 静岡市教委がガイドライン」というのを見つけた。
 果たして、中学校で部活動を指導してくれる人がそんなにたくさんいるのだろうか?しかも、報酬が月5~6万円!!!それじゃあ、副業でやってくれる人しかできないですよね!!!
◆週4日、月45時間 来春導入、教員の負担減
 静岡市教委は、公立中学校の部活動を上限で週四日、月四十五時間程度とする「部活動ガイドライン」を政令市で初めて作成した。教員と同等な立場で指導できる「外部顧問」のライセンス制度を全国で初めて創設する。長時間の部活動を制限し、教員の負担軽減を図るのが目的で、来年四月から導入する。
 文部科学省はガイドラインをまだ全国の教委に示していないが、静岡市教委は文科省に先行して独自にガイドラインを作成した。浜松市教委によると、浜松市は文科省のガイドラインを参考にして市のガイドラインを作成する。
 静岡市のガイドラインでは、活動日は平日は火曜、水曜、金曜日が原則。土日はどちらか一日のみ活動できる。活動時間は、夏休みなどの長期休暇を除き一年間で平均して月四十五時間程度までとする。活動日や時間は校長が管理し、違反が著しい場合には市が指導する。
 教員の長時間勤務の原因の一つとされる部活動の指導では、教員と同等に単独指導、単独引率ができる外部顧問を導入。ライセンス取得には、部活動の意義や指導方法に関する計七時間の講義と約一カ月の実地研修を受け、市教委が実施する面接試験にも合格する必要がある。給与は月に五万~六万円を支払い、四十人程度の雇用を目指している。現在、市は部活動で教員を補助する「外部指導員」を約百四十人雇用しているが、外部顧問にならなくても引き続き雇う。
 文科省は、外部指導員を学校職員にできる省令を、今年三月に公布。勤務形態や報酬など、必要な規則を整備するよう求める通知を全国の都道府県教委と政令市教委に出した。高井絢(じゅん)教育局次長は「休みをしっかりとった方が練習の成果がでるという研究もあり、外部指導者によって部活動のレベルが上がることも期待している」と話した。
 ガイドラインは十一日から市のホームページに掲載し、一カ月間意見公募(パブリックコメント)を実施する。
(垣見窓佳)

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20170909/CK2017090902000102.html

『読書感想文のためのワークブック』300円


 読書感想文の書き方・・・物語編、科学読み物編、社会読み物編の3種類がある。
 質問に沿って空欄を埋めることで、考えを整理していくワークブック。
 「物語編」の場合は、本の題、ページ数、書いた人の名前から始まって、主人公や他の登場人物の名前、主人公がしたことなどを答えていく。そして本の中の好きなところ、その理由、自分だったらどう行動したかなど、自分の気持ちを答える設問に移っていく。最後に、自分が書いた文の中から、使う文と使わない文を決めて、使う文の順番を付けると、読書感想文の原形ができあがる。

http://www.as-japan.jp/eccube/products/detail.php?product_id=40
http://as-japan.ocnk.net/product-list/5

『発達障害の子のためのハローワーク』TEENS執筆チーム(編者)鈴木慶太+飯島さなえ(監修)(合同出版)2500円+


支援の現場から生まれた使える「お仕事ガイド」!!
 こだわりが活かせる!こんなスキルを身につけよう!発達障害の子どもにも就労支援を行っているTEENSが、特性に即してアドバイス。保護者必読のリアルな就職事情や、先輩たちの体験談も大公開。
 160の仕事を一挙紹介!

「コリン」と「アセチルコリン」

「コリンとは」
 コリンは、ビタミンB群の仲間であり「アセチルコリン」の元になる水溶性の栄養素になります。
 コリンを摂取る事で細胞機能の維持細胞膜の修復、脳や肝機能の維持をしてくれるなど、私たち人間には欠かせない物質と言われています。
 体内においてコリンが不足すると肝脂肪が溜まりやすくなり様々な障害が起こると言われています。
コリンの効果
・肝脂肪予防
・コレステロール値の改善
・神経の働きを正常に保つ
・鎮静効果
・記憶力向上
・デトックス効果
・疲労回復
・集中力向上

「アセチルコリンとは」
 アセチルコリンは、運動神経や副交感神経で刺激を伝達する物質であり、記憶力や学習力に深く関わる成分とされています。
 コリンを材料に合成酵素の働きによりアセチルコリンになり、シナプスと呼ばれる神経細胞の接合部で作用すると言われています。
アセチルコリンの効果
・アルツハイマー病予防
・便秘改善
・更年期障害改善

http://beauty-and-healthy-life.com/choline-kouka-fukusayou-1083

採血しアルツハイマー診断 京都医大開発、簡便迅速

 2017年9月5日 01時32分のニュースに「採血しアルツハイマー診断 京都医大開発、簡便迅速」というものが出ていた!
 アルツハイマー病かどうかを、腕から採取した血液を使って診断できる手法を開発したと、京都府立医大の徳田隆彦教授(神経内科学)らのチームが4日付の海外の専門誌電子版に発表した。
 徳田教授は「新手法は体への負担が少なく簡便で、正確、迅速に判別できる」と話している。
 チームによると、「タウ」というタンパク質のうち、脳内に蓄積しやすいタイプのタウが増えるとアルツハイマー病になりやすいため、診断ではこの異常なタウの血中量を測定。これまで、脳脊髄液から検出する方法はあったが、背中に針を刺して採取する必要があった。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017090401002096.html

中学に部活動指導員 浜松市教委が方針

 2017年8月31日のニュースに「中学に部活動指導員 浜松市教委が方針」というのを見つけた。
 毎日の夕方と土日、部活指導員をやってくれる人が何百人もいるのか?自営業の人しかできないだろう!?
 さらに、それにかかる費用はいくら?どうやって負担するの?
 クエスチョンばかりのニュースだ。
◆報酬支払いも
 部活動による教員の長時間労働が問題となる中、浜松市教委は、市立中学校の部活動を単独で指導、引率のできる学校外の「部活動指導員」を来年度に設け、報酬を支払う方針を決めた。文部科学省の方針に沿う。市が部活動で学校外の指導者に報酬を支払うのは初めてとなる。
 浜松市には四十九の市立中学校があり、現在、体育連盟に登録する約二百人の外部指導者のほか、登録外の人も指導している。現状では、生徒がけがをした場合の責任の所在などから、外部指導者だけでの指導や引率ができない。
 本紙の調べでは、二十政令市で学校外の指導者に報酬を支払っていないのは浜松市と熊本市だけ。静岡市では支払っている。
 部活動指導員になった場合、深く指導に携われ、報酬が指導の動機付けになることなどが考えられる一方、責任が大きくなることや、事務処理が生じて、これまでの指導と比べて負担増となる可能性もある。
 浜松市教委では現在、部活動の実情を調べるために教員や生徒、保護者らにアンケートを実施。国の動向を見ながら、早ければ来年四月からの運用を目標に、市独自の部活動ガイドラインの策定を予定している。
 文科省は教員の多忙化や、半数以上の教員が専門外の競技を担当している状況を改善するため、今年三月に学校教育法の一部を改正。それまで呼称がバラバラだった外部指導者について名称を「部活動指導員」とし、職務を定めた。同省は全国の教育委員会などに、身分や報酬など規則を整備するよう求めている。
 浜松市教委指導課は「部活動の意義を大切にした制度にしたい」と話している。
(古檜山祥伍)

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20170831/CK2017083102000089.html

<要注意!クラッシャー上司>コーチング編(下) 選手感覚捨て 育て役に

 2017年8月28日の朝刊より、「 <要注意!クラッシャー上司>コーチング編(下) 選手感覚捨て 育て役に」の引用!

 部下をつぶす「クラッシャー上司」にならず、部下の力を引き出せる上司に求められる「コーチング」とは。前回(21日)は、関連著書がある人材開発コンサルタントの谷益美さん(43)に、まずは上司が自身の傾向を把握すべきだということを示してもらった。今回は、いよいよ具体的なコーチングに迫る。(三浦耕喜)
 「コーチングを身に付けるには、まず自身が『コーチ』にならなければなりません」。謎解きのような解説を始めた谷さん。上司はチームの監督やコーチのようなもの。しかし、「ここを履き違える上司が少なくない。上司としてコーチ役になったにもかかわらず、選手の感覚を引きずっている。そこで部下と摩擦を起こすケースが実に多い」。
 どういうことか。「コーチとはチームのメンバーと対話する中で本人に考えることを促し、自ら答えを出せるようサポートする役。そこをわきまえないと、現場時代の自分と比べ、部下に『違うだろ!』と声を荒らげることになる」。確かに。「もう俺がやる!」と部下から仕事を取り上げる上司がいるが、それは監督が打席に入るようなもの。本来の任務ではない。
 「部下にすれば何が悪かったか、どうすればいいのか学びにつながらない。部下の成長は止まり、チーム全体の成果も下がる」と谷さん。「上司が目指すのは『名選手』ではなく『名コーチ』。ただちにスイッチを切り替えるべきです」
 切り替えた上で、コーチングを支える三要素として谷さんは「聞く」「質問する」「伝える」の三つを挙げた。「中でも土台は『聞く』です。話を聞くことができれば、コーチングの基本はOK」と強調する。
 なぜ「聞く」がコーチングにつながるのか。谷さんは言う。「人に話を聞いてもらううちに、頭の中が整理され、新しい視点に気付いた経験はだれにもあるでしょう。『聞く』は受け身に見えて、実は相手に大きな影響を与えます」
 そうか、聞けばいいのかと思っていると、谷さんは腕を組む。「ですが、人の話を聞くのは意外と難しい。自分の意に沿わないと、最後まで聞かないうちに口を挟みたくもなる。耳に音が入る『聞く』ではなく、注意深く進んで耳を傾ける『聴く』技術を要します」
 話を聞いた上で、相手に考えさせるのが「質問する」スキルだ。例えば部下が失敗した場合、上司は部下に事情を問うだろう。「こういう質問は『情報収集型質問』と言います。それで終わっては部下に成長はない。『問題は何だと思う?』『これからどうしたい?』など、気付きを促す質問を加えたい」と谷さん。「考える間を与えるため、沈黙に耐えることも」と言う。
 思考を促すには、上司の働き掛けも必要。アドバイスや指導、励ましなどさまざまだが、谷さんは言う。「大切なことは、きちんと相手に伝わるように伝えること。これが『伝えるスキル』です」と言う。
 例えば、客への対応に問題がある部下の場合。「今日の接客態度、よくなかったね」と上司は言いがちだ。だが谷さんは言う。「それは『意見』を伝えているだけ。部下をへこませて反省させても、どこが悪かったか分からず、改善につながらない。根拠を明確にし、きちんと言語化して伝えることです」。なるほど。「ガンガンやれ!」という感覚的な上司では、部下は育たないわけだ。
 「コーチングは決して特別なスキルではなく、誰もが磨けるもの」と谷さんは言う。そうやって人を育てるところに未来は開けるのではないだろうか。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201708/CK2017082802000153.html

<要注意!!クラッシャー上司> コーチング編(中)

 2017年8月21日の朝刊より、「<要注意!!クラッシャー上司> コーチング編(中)」の引用。

 なぜ、クラッシャー上司は生まれるのか。十四日の前回では、チームとしてではなく、自分という個人の成果にこだわり、部下とのコミュニケーションが難しくなっていく姿が浮かび上がった。チームとして成果を上げるには、対話を通じて部下のやる気を引き出す「コーチング」が重要だ。ただ、その前に上司が自身を把握し改める点を知ると、コーチングは一層生きてくる。
 引き続きコーチングについての著作がある人材開発コンサルタントで早稲田大ビジネススクールで教壇に立つ谷益美さん(43)に聞く。「上司も上司なりに部下に気を使っているんだ。どうしろと言うのか?」と戸惑う声も聞こえてくるが、谷さんは言う。「その気遣いが伝わっていないところに、上司と部下の擦れ違いが起きます。部下の話を本当に聞いているのか。萎縮させたり追い詰めたりする問いではなく、部下に考えさせる質問をしているか。どんなに正しいことを言おうと相手に響かなければ意味がない」
 コーチングを語る前に谷さんが促すのは、上司が自分の傾向を把握すること。「自分を知らなければ、どう改めるべきかも見えません。『汝(なんじ)、自身を知れ』は、コーチングでも同じです」と言う。
 「自分の傾向を測るのに便利なツール」と谷さんが勧めるのは、米国の社会学者デイビッド・メリル氏が提唱した「ソーシャルスタイル理論」だ。自己主張が強い人か弱い人か、さらに感情表現が豊かか、乏しいかで四タイプに分ける=イラスト参照。
 例えば、仕事上の自己主張は強いが、感情表現が乏しいと「ドライビングタイプ」。決断が速くて仕事ができ、上昇志向が強い。半面、感情を伴うコミュニケーションができないため、部下の感情に訴えるものがない。このタイプは「部下のレベルに不満を感じ、一方的な指示になりがち」と谷さんは言う。クラッシャー上司の素質十分といえそうだ。
 感情表現は同様に乏しく、自己主張も弱いと、何を考えているのか分からない「アナリティカルタイプ」だ。「分析的」という意味で、細かなことにも手を抜かず、コツコツやるのはいいのだが、「人に振り回されるのが嫌いなので、もともとコミュニケーションが下手。たまに口を開いたと思ったら、細かいだめ出しばかりで煙たがられる」と谷さん。ネチネチと部下を問い詰めがちなところは、クラッシャー上司となる有力候補だろう。
 一方、仕事上の要求はそれなりに高いが、感情表現が豊かな「エクスプレッシブタイプ」。「表現力」という意味の通り、「楽しくやろうよ!」と部下にも親しげだ。いかにも理想の上司に思えるが、谷さんは「とにかくしゃべるのが大好き。なので自分ばかりしゃべって、部下は『ちっともこちらの話を聞いてくれない』との不満を募らせていることも」と手厳しい。「部下に考えさせるのがコーチング。先に上司が話しては意味がない」と。
 気持ちが通じ、自己を主張することもない「エミアブルタイプ」の上司は「愛想のいい」との意味通り、部下に優しい。共感力も高く、話しやすい雰囲気がある。だが、谷さんは「皆の話に動かされて決断力を欠き、成果を出せない傾向があります。目指すべき成果への目線を持って、時には部下に厳しい指摘も必要」と言う。
 一長一短、世界は多様な上司にあふれている。「この理論は、こうだと決め付けて、人を枠にはめるツールではありません。でも、自分の特徴を知ることで、リーダーとして注意すべき点が見えてきます」と谷さん。では、その要とは。二十八日に続く。
 (三浦耕喜)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201708/CK2017082102000170.html

<要注意!!クラッシャー上司> コーチング編(上)

 2017年8月14日の朝刊より、「<要注意!!クラッシャー上司> コーチング編(上)」の引用!
 労働を苦役に変える「クラッシャー上司」。当シリーズでは、部下をつぶしながら出世していくクラッシャー上司の存在を指摘しただけでなく、部下が持つ「イノベーションの芽」や「気付き」を無視することで組織を蝕(むしば)み、人命をも損なう危険性もあぶり出した。だが、今の管理職の多くはバブル時代にクラッシャー上司に育てられた人々。部下にどう接すればいいのか。
 「目からウロコで驚いた。まさに私を悩ませている上司そのものです」。そう言うのは、関東地方の編集会社に勤める四十代前半の女性Aさんだ。本紙の記事を読んだという。主に地域ニュースをカバーする仕事。Aさんはスポーツ担当のチームで、六人のスタッフを仕切るキャップだった。
 仕事は楽しかった。だが、雰囲気が変わったのは、さほど年の違わない女性の先輩Bさんが担当チームの部長になってからだ。Bさんは女性として初めて部長に抜てきされ、社の期待も本人の意気込みも高かった。キャップのAさんにとっては、直属の上司。部長との二人三脚でチームを動かすべき立場だ。
 だが、Aさんは言う。「B部長は私に連絡も相談もなく、頭越しで現場に指示するようになったのです。スポーツ担当の経験もないのに仕切るので、企画は行き当たりばったり。スタッフからは『B部長は何を考えているのか。Aさん、ちゃんと言ってるんですか』と突き上げられるが、私は何も聞いてない」。Aさんは堰(せき)を切ったように話す。
 「もちろんB部長には言いましたが、態度を変えません。何度も衝突した揚げ句、ついにはチーム全員の会議でB部長は『私とAとは平行線だから』と公言。私は居場所をなくしました」。B部長との確執に疲弊したAさん。心を病み、休職を余儀なくされた。
 Aさんのケースについて、人材開発コンサルタントで早稲田大ビジネススクールでも教え、今年二月には著書「リーダーのための!コーチングスキル」(すばる舎)を発刊した谷益美さん(43)はこう見る。「ベテランのAさんに、不慣れなところで部長になったBさん。初の女性部長として成果を上げなければと焦りを感じていたことでしょう」
 その心情を踏まえた上で谷さんは言う。「ポイントは、なぜB部長はAさんに相談しなかったのかにある。組織である以上、仕事は『チームとしての成果』に焦点を当てる必要がある。チームの要であるAさんの力を引き出そうという視点が生まれるはずです。ですが、B部長は、チームではなく『自分が成果を上げること』に焦点を置いていたのではないか。だとしたら、Aさんの存在はB部長にとって、脅威だったのかもしれません」
 チームで仕事をしているのに、リーダーが個人の手柄にこだわるところに確執は生まれる。貴重な人材をつぶす。「そうではなく、対話を通じて相手のやる気や考える力を引き出す。メンバー一人一人の成長を促す。そうすることで、チーム全体の力を上げ、成果につなげる。これが『コーチング』と呼ばれる技術です」と谷さんは言う。
 「今や厳しいグローバル競争の時代。過去のやり方が瞬く間に通用しなくなります。その中で企業が確実に成果を上げるにはどうしたらいいか。メンバー一人一人の力を最大限に引き出すリーダーの存在が不可欠なのは自明です」と谷さん。これからの時代、クラッシャー上司など百害あって一利なしなのだ。
 その要となる「コーチング」とは何か。二十一日の次回、考えてみよう。
 (三浦耕喜)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201708/CK2017081402000147.html
プロフィール

ニャン太郎

Author:ニャン太郎
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
COUNTER
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR