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部活動事故 予防 救急 家族への対応

 2014年10月20日の朝刊より、引用。
横浜市の助教が冊子
 部活動などのスポーツ中に起きる子どもの重大事故が後を絶たない。横浜市立大医学部の南部さおり助教(法医学)は今春、部活動の安全な指導方法をまとめた冊子を作成した。名古屋市の向陽高柔道部の部員死亡事故を参考にして、万が一起きてしまったら学校はどう対応すべきかにも触れている。
(築山栄太郎)
学校の模範例挙げ紹介
 冊子は62ページで「部活動の安全指導-先生方に心がけて頂きたいこと」と題した。ポイントは三点。まず、行き過ぎた指導を見直すことで事故を防ぐ。「子どもたちは指導者の少年期と考え方は違い、運動能力も両極端。それを無視して昔の練習をそのまま一斉に課す先生が少なくない」と警鐘を鳴らす。
 冊子では、脳振とうや急性硬膜下血腫などの頭部外傷、熱中症、野球肘など医療面のほか、しごきや体罰など、指導上で注意すべき点を図を用いて解説した。
 二つ目は、事故が起きた場合の救急対応。「校長がいないから救急車が呼べない、という意味不明な対応が原因で命が失われたり、障害が残ったりという事例も多い」と指摘。子どもの生命と健康の最優先を訴える。
 そして最後は家族への誠実な対応だ。名古屋市向陽高柔道部の死亡事故の経緯を例に挙げ、その重要性を詳しく記した。
   ☆
 1年生の倉田総嗣君=当時(15)=は2011年6月、他の部員に大外刈りで投げられ、後頭部を打撲。意識を失って倒れた。顧問はすぐ救急車を要請。総嗣君は急性硬膜下血腫と診断され、手術を受けたが38日後に亡くなった。
 校長は「学校で起きたことは全て学校の責任」として、事故当日に家族に謝罪。その後、全部員から事故の経緯を詳しく聞き取り、家族に伝えた。
 南部助教は「道義的責任」と「法的責任」の違いを強調する。「まず謝罪するのは人間として当然。謝罪してミスを認めると賠償などの責任が大きくなると勘違いする先生が多いが、隠蔽すれば家族の心労が増え、後で必ずこじれる」と話す。
 生徒が亡くなると名簿から削除し、保護者との関わりを絶つ学校もあるが、同校は名簿に総嗣君の名前を残し、母の久子さん(54)に卒業証書を手渡した。南部助教は「生徒の死はショックだが、きちんと向き合って乗り越えてこそ、命の掛け替えのなさを学ぶ。実践した向陽高はすごい」と評価する。
 南部助教は「遺族が必要以上に傷つくのを防いだ素晴らしい向陽高の対応を、名古屋市の教育関係者全員に紹介したい」と、当初は市教委の会報への寄稿を申し入れた。市教委スポーツ振興課の岩田浩幸指導主事は快く応じ、逆に運動部活動全般に役立つ資料を作成するよう南部助教に依頼。今回の冊子になった。
   ☆
 市教委は全市立中高、特別支援学校に冊子を配布。先月は、事故後毎年開いている武道の安全指導研修会で南部助教に講演してもらった。参加した部活動の顧問ら120人へのアンケートでは「子どもの気持ちより自分の思いを強制してしまっていた」「柔道経験者だが、過信せずに指導していきたい」など前向きな回答が目立った。
 久子さんは、東海地方の関係者でつくる学校事故事件遺族連絡会のメンバーと協力し、都道府県や政令市の教育委員会に冊子を送付。教員研修などに活用する自治体が増えているという。
 南部助教は「特に校長先生に読んでほしい」と強調する。向陽高のように校長や教頭ら管理職の危機管理意識が高ければ、顧問の教師も誠実な対応ができると考える。
 冊子の内容は、全国柔道事故被害者の会などのホームページから、誰でも無料で見ることができる。
なんぶ・さおり
 明治大大学院法学研究科で法学修士を取得。児童虐待を研究する中で医学を志し、横浜市立大大学院医学研究科博士課程に進み、医学博士に。2008年に柔道事故の被害者遺族と出会ったのを機に聞き取りや裁判の傍聴を重ね、法学、医学の両面からスポーツ障害・事故を研究している。

http://judojiko.net/apps/wp-content/uploads/2010/03/bukatsu_anzen.pdf
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