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文科省 火消し躍起 文系学部廃止通知

 2015年9月30日の朝刊より、引用。
 文部科学省が、6月に国立大に出した通知の火消しに躍起だ。教員養成系や人文社会科学系の学部の廃止などを盛り込んだ内容だが、学術界が「文系軽視」と強く反発した結果、「誤解を招く表現だった」と釈明している。(榊原祟仁)
「誤解」と釈明「真意」を説明
 問題となった通知の表題は「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」。下村博文・文部科学相名で各国立大学法人の学長らに6月8日付で提示した。特に大学改革が必要な対象として教員養成系と人文社会科学系の学部・大学院が名指しされ、「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする」と迫った。
 「文系解体命令」とも受け取れる通知に怒ったのが、「科学者の国会」と称される日本学術会議だ。7月23日に幹事会として声明を出し、「国公私立を問わず大学のあり方全般に多大な影響を及ぼす」「大学教育全体を底の低いものにしかねない」と訴えた。
 文科省はようやく今月に入ってから対応を本格化させる。
 下村文科相は11日の記者会見で「非常に誤解を与える文章だった」と釈明するとともに、廃止を考えているのは教員養成系学部のうち教員免許を卒業要件にしない課程▽人文社会科学系まで廃止について言及しているわけではない▽先の予測が困難な時代を生きる上で人文社会科学系も質の転換が求められている-などと通知の「真意」を説明。18日には、文科省の担当者が、東京都内で開かれた日本学術会議の幹事会に足を運んで「真意」を重ねて説明した。
強まる批判
 とはいえ、新国立競技場の問題などで過ちを認めず後手に回った文科省だ。本当に反省しているのか。
 大学教育ジャーナリストの木村誠氏は「少し考えれば強い反発を招くことは分かったはずだ。なぜあんな表現にしたのか」と首をかしげる。「産業界には大学に実学を求める声がある。それを忖度(そんたく)しすぎ、先走った表現にしたのかもしれない」
 そもそも、教員養成系や人文社会科学系の廃止や転換といった通知の表現は、昨年9月に文科省が国立大学法人支援課長名で各法人に出した事務連絡にも明記され、当時から学者の間で「文系廃止につながる」との声が上がっていた。
 元文科官僚で京都造形芸術大教授の寺脇研氏は「ここにきて『どうも形勢が悪そうだ』と判断して釈明を始めただけ。どこか新国立競技場やエンブレムの問題と似ている」とみる。
 寺脇氏は、下村文科相の責任にも言及する。文科相は会見で「私が(通知の)一字一句を全部チェックしてオーケーを出しているわけではない」と発言した。「事務方の表現ミスと言わんばかりの態度はあまりに無責任。この軽々しさは、大学改革を真剣に考えてない証しだ」(寺脇氏)
 文科省は通知を撤回せず、一連の釈明だけで幕引きを図ろうとしている。
 藤田英典・共栄大教授(教育社会学)は「批判に耳を貸さないのが安倍政権。教育でもそうだ」と断じた上で、こう提言をする。
 「私立大は学生を集めるために実学志向を強めているが、そうした状況だからこそ、国立大学、特に人文社会科学系の役割をあらためて考えるべきだ。知性や批判精神をはぐくむ人文社会科学系の学問は社会にとって不可欠なものだ」

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