<フリースクールの今>(下) 子どもの自立、最優先に

 2017年3月12日の記事より、「<フリースクールの今>(下) 子どもの自立、最優先に」の引用!

 学校外の学びの場の一つとして、不登校の子どもたちが通うフリースクール。今年二月、文部科学省の有識者会議が支援策をまとめた。重視されたのは、これまでほとんどなかったフリースクールと教育委員会や学校の連携。学校へ行く、行かないを迫るのではなく、子どもたちの「社会的自立」の支援に目を向けることを促す。
 「無理して学校に行かなくても…と思う半面、本音では行ってほしいと思ってしまう」「学校を休むと勉強が遅れてしまわないか」。昨秋、名古屋市内で開かれたシンポジウムで、不登校の子どもを持つ親たちが思いを吐露した。学校に居場所がない子どもはどうしたらいいのか、学校にはやはり行った方がいいのではないかと質問が相次いだ。
 これまで国の不登校対策は学校に戻ることを大前提としていた。しかし、不登校の小中学生は約十二万人と高止まりし、従来と同じ前提では、状況は変わらないことが明らかになった。一方で、「ここなら通える」と子どもたちがたどり着いたのがフリースクール。学校に代わる子どもの居場所を担っており、何らかの支援が必要ではないかという声が上がっていた。
 政府の「教育再生実行会議」は二〇一四年、フリースクールなどの位置付けを検討するよう提言。これを受け、文科省では有識者らが検討会議を開き、支援策を議論。今年二月、報告書をまとめた。
 その中で、フリースクールと、教育委員会や学校との連携を必要としている背景には、教委や学校がフリースクールの情報を十分に把握していないことがある。不登校の子どもは学校外の学ぶ場所を自力で見つけているのが現状だ。報告書では、教委の職員がフリースクールを何度も訪問し、スタッフと言葉を交わして子どもたちの活動の様子も見るよう求めた。
 「児童生徒への多様な知見を持つのがフリースクール。連携を図ることが子どもによいのではと考えた」。十年前から学校、フリースクールとともに連携協議会をつくる神奈川県で、子ども教育支援課の後藤幹夫指導主事が話す。きっかけは県内小中学生の不登校数が九千人を超え、全国最多となったことだった。
 連携協議会は将来に悩む不登校の子どもたちの思いをくもうと、年に七回、進路情報説明会を実施。不登校相談会も開く。後藤指導主事は「学校の先生も足を運んでくれ、フリースクールを理解しようという意識が浸透しつつある」と手応えを感じている。
 「最初からうまく連携できたわけではない」と当初を知るフリースクール「楠の木学園」の武藤啓司理事長(82)が振り返る。学校復帰を前提とする教委側の意識を変えるのは簡単ではなかった。フリースクール側も、施設によって「学校に戻ることが大事」「学校に行く必要はない」という考えがせめぎ合っていた。話し合いを重ね、大切なのは不登校の子どもが将来、社会的に自立することだという思いを共有した。
 「この理念を持ち、子どものことを第一に考えられる施設と連携している」と後藤指導主事。フリースクールの運営方針に立ち入ることもない。
 「一概に学校の先生が子どもたちにフリースクールを薦めればいいというわけではない」と武藤理事長。「子どもが見放されたと思うこともある。学校とフリースクールが連携し、その子にとって、どんな居場所があるのか考えるべきではないか」と話す。
◆連携する自治体は半数のみ
 学校とフリースクールが連携している自治体はまだ少ない。昨年の文科省の調査では、フリースクールがある二百八十八自治体のうち半数だ。「効果が明確でない」「児童・生徒などに関する個人情報の共有が難しい」とする教委の回答が目立った。また、フリースクールは全国に四百~五百カ所と少ない上、都市部に偏っており、通えない子どももいる。
 「学校へ行く意味・休む意味」の著者で学習院大の滝川一広教授は「学校かフリースクールかと二者択一で語られることがあるが、それだけではないだろう。将来につながることが学べる場を、社会にもっとつくっていく必要があるのではないか」と指摘する。
 (長田真由美)

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/kyouiku/list/CK2017031202000006.html
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