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ADHD(注意欠如・多動症)と学校生活―当事者の視点から③

(前回からのつづき)
支援者として当事者と関わって
 現在では支援者として、成人期のADHDの方と関わらせていただいています。ほとんどの方が私と同様に、成人になって初めてADHDと診断されています。そうした方々の多くは、学生時代は本人の努力で何とか乗り切ってきたものの、社会人になってから職場での業務や人間関係などで行き詰ったことがきっかけで受診されています。お話をうかがうと、やはり学生時代からADHDの症状に由来する学習上の困難や、学校生活でのストレスに晒された経験をお持ちの方が多くいらっしゃいます。そして、かつての私と同じように、症状に由来する問題を「本人の努力不足」と評価され、また自分でもそう思い込んで自分を責めた経験をお持ちです。そして自分で何とか状況を変えようと努力したものの上手くいかず、それがさらなる失敗体験となって自信を失い、必要以上に自分を悪く評価している方が少なくありません。
 もちろん親や先生は、「本人のため」と思って厳しく指導するのですが、それが「努力の問題」「しつけの問題」などという誤解に基づいていた場合、その「しつけ」が原因で自尊心を低下させ、孤独感や劣等感といった負の感情を育ててしまう結果になることもあるように思います。
教育現場の皆様へ
 教育現場、特に学校という集団世活の場において、ADHDの生徒は対応が難しいことも多いと思います。また、時には問題行動を正すよう、指導しなければならない場面もあると思います。しかし、ADHDの特性を理解しないまま、ただできていないことを非難するだけでは、問題行動はなかなか改善しないだけでなく、その厳しい指導が時として「自尊心の低下」という形で本人を苦しめてしまう、ということをご理解いただきたいと思います。なぜなら、最も症状に悩まされているのは本人であり、少しでも良くしようと人一倍努力しているのも本人だからです。
 先生方には、そんなADHDの子どもの頑張っている姿を、是非評価していただきたいと思います。そして、子どもが感じている学校生活でのつまずきに気づき、「どうしたらできるようになるか、一緒に考える」という視点で接していただくことがとても重要だと思います。
 ADHDは、周囲の正しい理解と支援によって、子どものつまずきを減らし、症状を改善していくことができます。そのためには、保護者や専門の医師だけでなく、先生方をはじめ学校関係者のサポートが不可欠です。ADHDの子ども本人を含め、クラス全員のよりよい学校生活のためにも、ADHDに関する一層の知識と理解を深めていただければ幸いです。
(おわり)

『The English Teachers' Magazine』Janurary 2019
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