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「ディスレクシアと合理的配慮」第16回「評価」

 『内外教育』2018年12月28日の「ディスレクシアと合理的配慮」第16回「評価」の引用。
 「合理的な配慮」は、その配慮をすることによって、対象の児童生徒の困難が軽減され、本来の力を十分に発揮できるように実施するものであり、げたを履かせるということではない。その対応がその個人のディスレクシアの程度や表れ方にとって「合理的」であることが分かって、それを施すのなら、評価にも反映することが妥当である。文部科学省から出ている「対応指針」も、普段教室の中で実施している配慮の数々を実施した上で評価をするように明記してある。
 考えられる配慮は次の通りである。
 「日ごろの課題」 国語の音読はすらすらと抑揚を込めて読めるのが理想だろうが、そこのところができないのがディスレクシアである。このため、音で3回聞いてきたら「良し」とする。また、漢字の習得について、止め、はね、はらい、書き順などができなかったとしても減点しない、書けなくても選択できればよい。
 「宿題」 データで与え、PCで回答をしてきたとしても評価をする。量や質の調整をした場合も同様である。業者が用意するドリルなどではすでにデータで提供が始まっているものもあるので活用したい。
 「小テスト」 振り返りのテストをする場合も選択問題、口頭試問にして分かっていれば評価した上で次の単元に進めるようにしたい。
 「作文」 授業中に作文ができればいいが、ディスレクシアの場合、言いたいことの5分の1くらいしか手書きの文字では表現できない場合がある。ICT(情報通信技術)の使用はもちろんのこと、学校内でできるのなら少しの時間をとって聞き取り、付箋などに支援者が書き写し、その後で文章にしたものを書き写す方法なども評価する。
 「ノート提出」 試験の記述式で点が取れないディスレクシアに対して手書きノート提出で評価するという一県「合理的」に見える対応があるが、実は本人にとって「過度の負担」となっている場合を多く見る。プリントを貼る、写真で撮ってそれをまとめるなどの方法が考えられる。
 「期末の試験」 普段の授業や宿題、小テストで本人のできることと困難なことの間のギャップを埋めるために行っている「合理的な配慮」をそのまま当てはめる。読み上げ、読みやすい工夫(文字のフォントやサイズ、紙の色、文字の色、問題と回答欄が分かりやすいように変更する)、時間の延長などがある。
 多くの科目を1日でこなす場合、時間延長で1科目目は点数が上がるが、3科目目くらいになると延長した分疲労するので、半分くらいしか得点できなくなることも実証されている。また、課目や試験問題、回答方法によってそれほど時間をかけずに回答できる場合もある。
 ICTの使用もしかりである。日ごろ使用しているICTを期末試験などでどのように使うのかを事前に検討しておく必要が出てくる。問題と回答欄を答えやすいように工夫するとクラス全体の点数が上がることも分かっている。
 日ごろ教室内で行っている配慮をした上での評価を内申書にも反映することで、初めて高校や大学受験、また次の学校での変更や調整につながるのでぜひ実践してほしい。
(藤堂栄子=認定NPO法人エッジ会長)

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