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国民的大運動「親守詩」実践の広がり 親子の絆を深め、家族の再生を目指したい

 『教室ツーウェイ』2012年12月号より、千葉大学教授の明石要一先生の記事。詳しくは本誌をお読みください。
 日本人にとって母親は特別な存在である。けっして悪く言わない文化がある。しかし、父親の存在は薄くなっている。今一度、母と同じように父親の存在を浮き彫りにする方法はないだろうか。それが「親守詩」(おやもりうた)である。このツールを通して親子の絆を深め、家族の再生を図りたい。
1 日本人にとって母親はどんな意味を持ったか
 『日本人と母』(東洋館出版社)という名著がある。これは故山村賢明氏(元筑波大学、立教大学教授)の博士論文である。山村氏は日本人の人間形成の中で母親は特別の存在であったことを、実証的な研究で明らかにしている。
 先ず、戦前の国定教科書に注目する。この中で描かれた母親はどのような存在であったか。
 戦前はどの時代の母親も子どもに尽くす、温かくて、働き者の姿を描いている。国が理想とする母親の顔が登場している。
 次に、TBSの日曜ドラマに登場する母親像がどのように描かれているか、に注目する。
 テレビにはモニターがいる。各番組の後のモニターの感想で、描かれた母親像に対するプラスとマイナスの言葉を分析する。母親をマイナスに描くとモニターから批判が多く出ている。
 三番目に著名人がラジオ番組で母親をどのように語っているか、に注目する。
 著名人のほとんどは母親を尊敬し、敬意を払っている。作家の今東光以外はみんな「おふくろさん」「母」という呼称で言っている。
 今東光は「うちのくそババア」といっている。しかし、10分間の語りの文脈を考えるとやはり母親に敬意を払っている、のが伺える。
 四番目に非行少年が父と母をどう見ているか内観法という手法で探っている。
 内観法は森田療法の1つで、1畳ぐらいの小さな部屋で「母」や「父」について振り返ってもらう。例えば、「あなたが乱暴を働いたとき母親はどうしましたか」と問い、それに対して瞑想しながら考えていくのである。
 すると、母には「申し訳ないことをした」「お詫びをしなければ」「合わせる顔がない」という罪意識や懺悔の気持ちが浮かんでくる。
 山村氏は本の中で日本人にとって母親は「罪意識としての母」、「動機づけとしての母」(励ます母)、「子どもに尽くす母」(自己犠牲の母)となっている。
 日本人は母親を決して悪く言わない。清らかで、純粋で、我慢をし、子どもと夫に尽くし、よく働く女性として映る。山村氏は日本人にとって母は「観音様」に近い存在になっている、ともいっている。
 だから、母親の存在が子どもの行動を規制する。励ましてモティベーションを高める。悪い方向に向かないようにコントロールする。
2 心に残る父の一言、母の一言
 社会教育関係団体の1つ修養団(SYD)という組織がある。「みんなで蒔こう!”幸せの種”」の運動を全国展開している。フィリピンではストリートチルドレンを支援するボランティア活動もしている。
 ここが全国から「心に残る父の一言、母の一言」を集めた。2534名の中から1771名の言葉が寄せられた。その中から、興味深いものを紹介する。
 心に残る父の一言
 ☆世界中の人が的になっても、お母さんとお父さんはおまえの味方だからな
(小さい頃、いじめがあって泣いて家に帰ったらこういってくれ、すごく嬉しくて、愛されているんだなーと思った。私を守ってくれるのはこのひとたちなんだなーと思った。ここにいれば絶対守ってもらえるし、私の居場所はここだと実感した)
 心に残る母の一言
 ☆私はあなたの一生の応援団長です
(受験に失敗、失恋、いろいろなマイナスの事柄が一時ピークを迎えときがあり、姉のような存在のお母さんが一筆、私の机の前に置いてくれた。涙が出ました)
 人生は山あり谷ありである。つまずかない人はいない。そのとき、励ましてくれたり、支えてくれたのが父と母であろう。
 そのとき、父と母はどんな言葉をかけたのだろうか。当時はあまり気にはかけなかったが、振り返ってみるとズシーンと重みを増す。劇薬的な効果を期待できないが、漢方薬的にジワジワ効いてくるのが父と母の一言ではないだろうか。
3 「親守詩」とは何か
 「親守詩」は高橋史郎氏(明星大学教授)が提案し、最初に香川県の教職員組合が実践した活動である。高松市では2007年から続けて、今年で6回目である。作品は俳句やエッセイでまとめられ、文集の形にされている。
 香川県を発祥地として、今や運動は大きな広がりを示している。神戸市は語呂合わせから8月8日に第1回の「親守詩」イベントを起こしている。854本集めている。
 今主流となりつつあるのが、上の句と下の句に分け子どもが上の句を作り、親が下の句を作る、バージョンである。
 TOSSの親学推進委員会(兵庫県事務局)が行った受賞作品をあげておく。
 おとうさん いつも りょうり ありがとう 大きくなったら いっしょに つくろうね
 おかあさん ことばをきくと うれしくなるよ ことばはね 人を優しくする 魔法だよ
 この他に、埼玉大会の実践もある。一番脚光を浴びるのが授業参観である。上の句と下の句に分けた「親守詩」は教室の中で実践しやすいツールである。
 形式はこだわらない。俳句もOK、短歌もOK、エッセーもOKである。とにかく、全国的に「親守詩」を広めることで、親子の絆を深め、家族の再生を目指したいものだ。
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