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日本の伝統的教育方法のすばらしい成果 伝統的子育て・教育を若い人に伝えるのは政治の仕事

 『教室ツーウェイ』2012年12月号より、金子保(さいたま市教育相談室長)の記事の引用。詳しくは本誌をお読みください。
 日本人の道徳性の高さは日常のマナーや大震災時の秩序の良さ、勤勉性、真面目さ、深い思いやりなどより、世界から称賛されています。しかし、その一方で今の若い父母には、幼児期の育児、家庭教育の方法を充分に教えられていないし、学んでいない、学校では規範道徳教育は行われていない・・・等から、日本の伝統的家庭教育は断絶しているのが現状です。それにより現代の子供たちには新しい問題行動が現われています。
1 断絶している日本の伝統的子育て
 子供を育てる方法は、親から自分が受けた育て方を参考にしたり否定したりして行うものですが、自分が乳幼児期に受けた子育てを記憶している若い父母は少ないでしょう。
 育児の方法については昔から祖父母達が計画的に教えていたものではありません。
 戦前は親が自分の弟や妹を育てる姿を見たり、自分の参加させられたりしました。また同居の祖父母から教えられたり、たとえ核家族であっても、近所の祖父母が多く訪ねて来て何気なく教えてくれたものでした。
 現代の若い父母はこららの経験をしていないでしょう。
 こうした生活のなかで、乳幼児の育児や子供の教育の断絶が見られます。これが現代の子供たちに新しい問題行動をもたらしているのです。
2 子供の心は生得的なものと接し方の複合で育つ
 多くの動物は生得的な行動、能力が強く、親の子育てがなくとも育つようです。しかし、人間は、新生児などは唇に触れたものをしゃぶるように生得的に反応し授乳できるのですが、経験することによって育つ心や、教えられないと育たない心も多いのです。
 言葉も生得的に現われるものではなく、すべて周りから学ぶものです。
 子供の教育というと、人との交わり方としての道徳教育や思いやりが課題になりますが、日本人の勤勉性、工夫性なども教育の結果で、これも重要な子育ての課題です。
 近年、言葉の発達しそびれの子供が大変に多く、2歳を過ぎても言葉がないか増えない様子を示す子もおります。それは小学生では学習障害といわれ、地域によっては15%程存在しています。
 これらは、米国の定義(DSM-4)で発達障害と判定され、一般には、要因は生得的であり、容易には治せないと言われています。
 定義には、「発症する」とあるのですが、日本のほとんどの事例は発達しそびれ事例であり、米国の事例とは異なるのではと思い、治し方の研究をしてみました。
 多くの子供は早期(2歳)に対処すれば言葉も多くなり、人格も発達することが分かり、予防の方法も分かってきました。
 言葉の発達しそびれの子供には「生得的で治せないという子供」と、「単なるつまずきで支援によって治せる子供」との2種類があるようです。
3 子供に現われた問題行動は伝統的子育てで予防が可能
(1)言葉のつまずき児への発達支援
 40年間にわたって2千人以上の発達障害と思われる子供に接したところ、言葉を学習しない原因が分かりました。まねる心が育っていないのです。
 まねる心は、思いっきり笑わせることで育っていきます。すると言葉も多くなり、遊具にも関心がでてきて、ままごと遊びなどが始ったり、競争心も芽生えてくるようになるのです。
 早期(2歳)に発見し、支援することで、ほとんどの子供は人格発達も健常児に近付きます。しかし3~4歳と年を重ねてからでは効果が小さくなり、発達の臨界期を感じます。
 相談に来られた子供の兄弟で、生後5~6ヵ月より小さい子に予防の方法を試みました。テレビなど文明の利器のない部屋であやし、笑わせ、言葉かけを多くしてもらったところ、言葉の遅れ等を示す子は見られませんでした。
 高橋史朗先生によれば、この方法は昔の日本の伝統的育児とのことです。
(2)多く現れた問題行動は伝統的育児の断絶による
 戦前には見られなかった子供の問題行動が近年、多く見られるようになり、治療の研究に取り組んでみますと伝統的育児の断絶を感じます。
 登校日の朝方に気分が悪くなるなどの情緒混乱型の不登校は、幼児期の交友関係と深い関係がありました。次の3つに分類した際、Aタイプの子供には不登校の子はまれなのです。
Aタイプ 友人の家に遊びに行き来する子
Bタイプ 友人が来れば遊ぶ子
Cタイプ 友人との行き来のない子
 不登校児がニート、ひきこもりになりやすいのです。
 戦前には問題になっていない過呼吸症、拒食症などの心的外傷ストレス障害なども、子供時代の交友関係のたくましさの未発達が一因となっています。
 食事嫌いも多くなっていますが、親が先に食べてみせる等の工夫が不足しているようです。
 園や学校において、声をだせなくなる「場面寡黙」の原因としては、1歳半から2歳半頃に他家の大人との会話経験の不足もあるようです。
 HQ障害と言われ、総合判断力、他人の目で自分が見られない、空気の読めない人も多くなっています。戦前は日本のほどんどの家庭で実施され、戦後はほとんどの家庭で行われなくなった教育がありますが、それと関連がありそうです。たとえば、4~5歳児に対して次のような言葉かけをしていました。
・友達に笑われるよ
・友達に馬鹿にされるよ
・友達に恥ずかしいよ
 これが人としての道徳教育の基本であったと思います。
 良心の呵責を感じない人が多くなって、悪事も知られなければ平気という心理です。
 宗教教育とも関連しますが、かつては2歳頃に獅子舞との遭遇がありました。各家庭を訪問し無病息災を願って獅子舞を受けるのですが、これが仕付けの方法として有効でした。悪いことをすると、「獅子舞がくるよ」と言ったものです。伊勢の大神宮には1000人を越える御師が民家を訪問し、地方の神社にもこの催しが多くありました。
4 伝統的子育て・教育を若い人に伝えるのは政治の仕事
 日本の伝統的育児・教育が良いとしても、今の若い父母は学ぶ機会もないし、教えられることもないのです。
 家庭生活、子育ては、各家庭の権利であり、義務なのですが、乳幼児期の育児情報や、子供同士で遊ぶ機会の提供、子供の社会性・道徳性の育成など、子供の教育についての情報提供や支援が政治に求められているようです。
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